「夢の続き39」ユノ×チャンミン
そして、学校が終わって、また俺はアパートの前にいる。
もしかしたら、残りの俺の大学生活、晩御飯がほぼインスタントラーメンになる可能性もあると懸念して、昼は野菜が多めの日替わり定食にした。
だから、もうインスタントラーメンでもいいんだけど、
―――する。
匂いがする。
しかもこの匂いはバイト先でも良く嗅ぐ匂いだ。
半信半疑のまま、鍵を差し込んだ瞬間に、ドアが開いた!
「だから、いったいんだよっ!」
下を向いて鼻を押さえる。
「チャンミン!お帰りっ!」
「ただいまっ!!」
エプロン姿で目を輝かせているユノに、涙ぐみながら叫んだ。
玄関に入ると、案の定鍋がぐつぐつと煮えている。
「チャンミン、おでんだよ!」
「らしいですね」
普段から食べてますけど、結構好きですよ。
「ユノさん、それどうやって作ったんですか?」
一から作るのは結構難しいと思うんだけど。
荷物を置いて、ユノを見に行くと、俺に振り返って笑顔で言った。
「俺達のお店の買って来た!」
「なるほど!じゃあ食べましょう!」
どうりで同じ匂いがするはずだ!
いただきます、と言って食べ始めると、ユノはこたつ布団で顔半分を隠してはにかみながら俺を見る。
「……美味しいですよ」
と言うと、嬉しそうに全部顔を隠した。
「……早く食べて下さい」
今日も就寝時間は早かった。
横で、もう目を開けていられなさそうなユノが言う。
「チャンミン……クリスマス近いよ」
「……そうですね」
イブは実習で何時になるか分からないし、クリスマス当日も学校だけど。
「あ、ユノさん。明日、明後日俺遅いんで、先食べてて下さい」
「ううん……待ってる」
「あとパンは冷蔵庫にいれなくて大丈夫だと思いますよ」
「分かっ……た」
ユノが寝た。
昨日からかなり睡眠時間をとったのもあって、俺はそんなに眠くなかったけれど、ユノの体温のせいか、
また間を置かず自分も眠りについた。
只今21時49分(ユノの退役まで482日)