夢の続き

東方神起、SUPERJUNIOR、EXO、SHINeeなどのBL。
カテゴリーで読むと楽です。只今不思議期。

「白が降りしきる深夜 1」テミン セフン SHINeeの短編 EXOの短編


弱まって来た雨脚を眺めて思わずついた溜息に、ふうんと言われ、セフンはしまったと小さな口を閉じた。
横目に見ると、丸い目は今にも晴れそうな空に向けられているが、その細いピンクの唇は端がゆるんでいる。
この前は、残業終わりに飲み行くかと誘われたビールバーから出たところで酔いにまかせて、抱き締めてしまった。
「俺、先輩なんだけど」
と面白そうに呟かれて、「すいません」と我に返って慌てて体を離したが、にやにやされたまま、それで、お疲れとタクシーを拾って帰られた。
蛇の生殺しだろと、今日も思う。
自分と同じくらい色の白い人間なんて珍しくて、最初は「なんか綺麗な顔した年上だな」くらいに思っていた。
今も、灰色の袖からのぞく白いうなじ、白い手ばかり盗み見ては「早くやめよ」と夕立に苛立ってみたが、スーツの腕越しにつたわった体温が離れるかと思うと、本音が出た。
相手が、同性愛者だということは分かっている。
社内の噂話を全然気にしてないように、いつも振る舞っているが、否定しないと言うことはそうなのだろう。
俺は、違ったのにとセフンはまるでこの世の終わりのように心中でぼやいた。
彼女もいたのに、付き合ってもいないどころか、女しか興味がなかった自分が何となく落ちたくさいことを核心も付かず面白がるだけの人間のために別れた。
興味が持てなくなった恋人と一緒にいるのが苦痛になった自分の意志が第一だが、それも察されているのに聞いて来ない相手に恨み言の一つも言いたくなる。
恋人でもいるのだろうかと気になるが、それを聞けば行動に移したも同然だ。
この膠着状態は解けてしまう。
いるのが怖いのか、いないのが怖いのか、セフンはそれもまた分からない。




つづく



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