「PLAY1」ユノ×チャンミン
この頃、俺の仕事上のパートナーが変な遊びをする。
俺たちは二人組のアイドルで、自分達の国韓国、と日本を良く行き来してるんだけど、どうやら日本で流行ってた「それ」を気に入ったみたいだ。
飲みに行って、お酒が入るとしてくる。
俺がびっくりするのを見て喜ぶんだからタチが悪い。
でもイタズラして喜んでる姿を見ると、やっぱりまだ可愛い年下の「弟」なんだなとか、思ってしまって。
でも本当、男にされて嬉しいもんじゃないし、いや、あれは男がするもんだとは思うけど、俺は女じゃないし。
「やあやあ俺のヒョン!」
そんなこと考えてたら、当の本人が来た。「ヒョン」は兄って意味なんだけど。
トイレから戻る途中の廊下だった。
俺たちは今上海にいた。ツアーの最中で、今日もライブが終わって打ち上げ会場にいる。火鍋を食べながら紹興酒よりビールが気に入った俺のパートナーで弟は、すごい早さで飲んでいた。
また顔が真っ赤だ。
「ちゃんと水も飲めよ」
とすれ違いざまに言った瞬間。
ドンっ!!
ビクって体がした。
目の前のチャンミンが、酔った顔で笑った。
俺の顔の横にチャンミンの手が突き出されている。
その手のひらは壁を抑えてて、これを日本では「壁ドン!」ていうらしい。
やるかもなって思ったのに、体がビクってなった。
「もうっ、やめろよ!」
酔っ払い相手に言ってみる。
しかもチャンミンのは、俺の顔の両脇に手を出す、両手の「壁ドン」だった。
「ヒョン、また驚いた」
しかも、なんか回を重ねるごとに顔が近くなってる気がする。
チャンミンの顔を真正面で見ながら、何で俺は弟より身長が低いんだと悲しくもなった。
「お前。本当に怒るぞ」
にやりと笑う顔を睨むと、その顔が近付いて、耳元で囁く。
「ヒョン、怒らないで」
「女にしろよ!」
気持ち悪いのに、まだ心臓はさっきのやつでドキドキしてる。まるで勘違いしそうで自己嫌悪まで出てくる。
チャンミンが俺の正面にまた顔を引いて、
「ヒョンでやるから楽しいんでしょ」
とおどけたように笑った。
つづく
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ふむ。どうやら下の話と被っている。