「夢の続き63」ユノ×チャンミン
いいから早く食えって。ユノのフォークを渡すと、俺の顔を見ながら食べた。
その目が丸くなった。
「んーー!チャンミン!美味しいっ!」
悶えた。
「でしょ!」
ユノが頷きながら夢中で食べ始めた。
カレーに引き続き、完全にグルメ生活だ。
食べ終わって、ユノがうとうとし始めたので、今日は後片付けを俺が全部することにした。
皿を洗いながら時計を見ると、まだ九時にもなっていない。
全て洗い終わって、振り返ると、ユノは完全に寝ているようだった。
律儀に壁にぴったりついている。
俺はシャワーを浴びてないから、まだ寝ないけど、静かにベッドの端に腰掛けた。
その寝顔を見る。
こっちに顔を向けてくうくう言っている。
じっと見つめる。
――ユノは、俺の好きな食べ物を知っている。
カルボナーラで確信した。
布団に顔半分つっこんで、良く寝ている。
瞳が大きい目が目蓋で隠されている。
今までユノが俺に出してきた料理は、俺が普段よく食べるものばかりだった。
インスタントラーメン、おでん……弁当はユノの前で選んでいたものだったから、それを覚えてたのかと思ったけど。
一昨日みんなと行ったスーパーで、うちにまだあるユノが俺に作ったインスタントラーメンを見た。
俺はインスタントラーメンは良く食べるから、あれは新商品かと思ったけど、ただ俺が見逃していただけのようだった。
あれは俺の好みの味だった。
ユノは俺の好きな味付け、学食で好んで食べてるものも多分知っていた。
店長が弁当が多いことは一緒に働いてるから分かってたかもしれないけど、
キュヒョンがいつも野菜を殆ど食べてないことも多分知っていた。
あのカレーは、ただ料理を食べさせるのが目的ではなく、風邪でお世話になった人に恩返し的な感じなのかと思ったけど、温かい手料理や、野菜を食べさせたかったのもあったんだろう。
俺の料理がうまいと言った。
あの焦げたチゲを食べただけで、そんなこと言えるものだろうか。
手を伸ばして、そっとその前髪を横に流した。
俺は最近アシンメトリーにして前髪をのばしてるけど、ユノも長い方だ。
ユノは前髪を分けるから、俺みたいに目元が隠れるわけじゃない。
目蓋に隠れた瞳の大きな目は、時々人間味がなく見える。
良く笑うし、あんな調子だから、そんなこと感じさせないけど。
出会った日に、俺の何でも知っていると言った。
俺はこの人のことを何も知らないのに。
只今21時02分(ユノの退役まで459日)