「夢の続き64」ユノ×チャンミン
「ユノさん、俺の専攻知ってますか?」
「え?」
朝起きて、フライパンを持ったユノに言う。
俺は寝ぼけ眼のまま、昨晩、とりあえずユノが俺の何を知っているのか気になったのを思い出したのだった。
ベッドから上半身を起こした俺に、フライパン片手のエプロン姿のユノが、「おはよう!」と言ってきた返事がそれだった。
ユノが口を開けている。
「え、せんこうって」
「大学の」
「えっ、それは、だって……」
うん、だよね。
そりゃあ、誰だって、あの部屋にいて、毎日これを持ってるのを見れば、
分かりますよね。
質問間違えたな。
「……年明けのテスト週間が終わると、君たちはすぐに審査になります。もう春から言っているように、この時期は現像室は込み合います。だから、早め早めに現像するように言っていましたが、もう間に合わなくなっている人が出てきてますね……」
俺は話を聞きながらもレンズの汚れが気になって、これをどうにかしたい衝動に駆られていた。
この実習室の蛍光灯をはめこんだテーブルは普段見逃している汚れもすぐ見える。
でもここで拭くわけにはいかない。
今日何時に終わるだろう。
火曜日寝起きざまにしたユノへの質問を思い出していた。
そりゃあ、ばっちりユノは答えたけど、当たり前で。
「シム・チャンミン」
俺の間抜けな質問タイムはそれで終了した。
「シム・チャンミンっ!!」
「え、あ、はい!」
いきなり自分の名前を呼ばれて顔を上げる。
しくじった。
「そんなに君は自分のカメラが気になるか?」
「あ……いえ……」
視線の先でキュヒョンが目を輝かせて怒られている俺を見ている。
睨んだ俺に一層目を輝かせた。
只今11時13分(ユノの退役まで458日)