「PLAY22」ユノ×チャンミン
「ツアーが始まって、この頃ずっと一緒だったから、それが普通になってた。目を開けたら、いつも誰かと目が合って、その誰かが俺が起きたのに気付くんだ」
まるで宇宙人でも見るように、俺の顔を見ている。
「それで、分かったよ。
相手が目が覚めて、
すぐに起きたことが知れるのは、
その寝顔を見ているからなんだって」
チャンミンは何も言わない。
「あの、壁ドンされてた様な時は大抵」
「からかってただけです」
やっと声を出した。でもその瞳はわなわなと震えている。
「酒がそこまで強くない俺が、席を立った時、大丈夫か見に来てくれてたんだな……」
俺の顔を見る目がぼんやりとした。
もう声を出さなくなった。
鼓動が鳴りやまない。
俺は今どんな顔をしているんだろう。
黙ってしまった相手の顔を視界にいれては、そらしている。
そのパートナーはこれだけ長く一緒にいたのに、まるで、今初めて出会ったかのような見知らなさで、それはお互い様かもしれない。
「一つ一つは確かに、大したことじゃないかもしれない。俺も分かってる。でもここまで来て俺は分からなくなったよ。だって俺は……」
男だから、と言ってその顔を見つめた。
青ざめたようだった顔が睨むのに近い目で俺を見ている。
「チャンミン……お前いつから」
「言うな」
俺の方が、泣きそうな顔をしていたかもしれない。
でも睨んでいるチャンミンの方が、少しバランスを失っただけで、崩れそうだった。
互いを見据えたまま、微動だにしなかった。
俺が知った時点で、このゲームは終局を迎えている。
それが本当に行われていたのかを俺は確認するしかできなかった。
言うなと言ってしまった相手に、何の言葉も出てこない俺を見て、チャンミンから視線を外した。それが床に落ち着いた。
「俺は、こんな暴露、望んでませんけど。俺は今まで通りで良かった」
「そしたらお前が前に進めないだろう」
そのためを思って言ったつもりだった。チャンミンが親の仇のように俺を見た。もう憎まれているような気さえしてくる。
「俺は前に進んでた!ヒョンが気づかなかっただけで、今更っ」
と、まで言って止めた。久しぶりに聞いたオクターブ高くなる荒げた声。
自分は見つめるだけだった。
だって俺はその言葉の通り、
何も気づかなかったから。
つづく