夢の続き

東方神起、SUPERJUNIOR、EXO、SHINeeなどのBL。
カテゴリーで読むと楽です。只今不思議期。

「This is love comedy.16」ユノ×キュヒョン


テーブルの上で袋から大きな箱を取り出したキュヒョンがいそいそと皿を持って来る。
俺は遠い目でその光景を見る。



「ユノヒョン見て下さい!」



遠い目をしていた俺の前で、入れ物の蓋を開けた。思わず現実に引き戻される。



「ケ……」



「そうです!ケーキです!」



開きっぱなしになった口を閉じる。



「お、おい」



持って来てもらっといて、あれなんだけど。お前は乙女か。


「こ、これを飯に?」


「ユノヒョン!、これはただのケーキじゃありません!」


全部おかずで出来てるとでも!生クリームすごいぞ!



「ユノヒョン、これは、」



ごくりと唾を飲み込む。キュヒョンが続けて言った。



「俺のバースデーケーキです!」



ケーキだよ!それケーキだから!


いや、待て。まず言うこと。


俺はこいつの恋人なんだから、バースデーケーキは俺が用意するものだろうと、


いや、その前に自分で持って来るってどういうことなんだと、これだな!


いや、そこじゃない!


こいつの誕生日は今日じゃない!これだ!


「それケーキだから!」


しまった!つい一番言いたかった事を言ってしまった!


「恋人のバースデーケーキですよ!」


そこだな!悪かった!



「お前、今日じゃないだろ?」



俺の言葉にキュヒョンが驚いた目で俺を見た。



「ユノヒョン、知ってたんですか?」



「そりゃ恋人の誕生日だから」



「フォーク持ってきます!」



キュヒョンが背中を向ける。待て待て、腕を掴んだのと同時に、振り向いた顔を見る。
最近こいつの顔はいつも赤いな、って忘れてた。
すぐ手を離すと、キュヒョンが目を見開いて動きを止めた。
触ったけど、カウントされたのか?
おいおい、こんなの誰でもあるからな!俺はバイキンマンじゃありませんよ!



「ごめんごめん」



両掌をキュヒョンに向けて宥める。キュヒョンが困ったように体をそわそわと動かした。



「あの」



「まず!恋人のバースデーケーキは特別だけど、とりあえず飯食おうぜ。あとお前の誕生日は明後日だろ?どうしたんだよ?」



実はあんなデートして貰ったもんだから、明後日、俺と過ごす予定だった時の為に一応店は予約したんだけど。
男同士でもぎりぎり大丈夫なところをな!


俺の質問に視線と声を落とす。



「ミュージカルの最終チェックが入って。明日明後日は夜遅くまで練習が……」



なるほど。



「ユノヒョン俺の誕生日知らないと思ってました」



独り言の様に呟いている。まあ、確かに詳しい日付はチャンミンに聞いたけど、俺と誕生日が近いことは知ってたよ。ちなみに、俺とキュヒョンとチャンミンは同じ月生まれでこいつの次が俺、最後がチャンミンなんだけど、こんな情報どうでもいいにも程があるよね!


「言ってくれれば用意したのに」


小さく笑って言った俺にキュヒョンが目を瞬かせる。



「まあ、今からでもどっか飯食いに行こうか」



ジーンズのポケットから携帯電話を取り出す。



「あ、惣菜も持ってきましたよ」



それ早く言おうぜ!なぜこれ先に食うつもりだったよ!



「ケーキを先に出した方がサプライズ感が増しますから!ユノヒョン驚きましたね!」



キュヒョンが声をはずませる。何でお前の誕生日に俺をサプライズするんだよ!そのせいで色んなサプライズが混ざったぞ!


いや、それよりも仮にも恋人の誕生日だ。



「そのご飯もの取っておけるなら、一応俺は店でもいいけど。キュヒョンはどっちがいいの?」



下の群衆かき分けても俺は構わないけど。



「え、あ、今日は全部お母さんが作りましたから」



「じゃあ店は今度か……」



いや、それは無理そうだな。どうするかな。
キュヒョンはまた目を瞬かせてから、顔を伏せた。


「ああ!」


ひらめいた!ってだから何でお前はそんなに上げた顔が赤いんだよ。


いや、今言うこと!



「それなら、お前の稽古場所に人数分届けてやるよ」



「え?」



「当日は差し入れ凄いだろうから、明日にしようか。美味いの考えといてやるから、みんなで食べたらいいよ」



キュヒョンがぼんやりと俺を見た。


「どした?」


「あの、嬉しいんですけど、それ付き合ってますか?」


差し入れなら十分恋人っぽいだろ。アピールもできると思うけど。まあ少し前の俺ならありえない発想だけどな!


「ああ、じゃあ邪魔じゃなかったら俺も一緒に食おう。そしたら付き合ってるな」


キュヒョンの表情が少し明るくなる。



「来てくれるんですか?」



「うん。みんなで食おう。恋人だって思われるだろ!」



もう思われてるけどな!


キュヒョンの動きが止まる。ん?どした?



「そうですね!恋人自慢できますね!」



やっとその顔に笑みが戻る。なんだ今の間は。



「自慢はしなくていい」



それはやりすぎ。自分も微笑みながら、その肩に手を置こうとして、下げる。これいちいち面倒くさいな!







つづく

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