ココはドコ？

ああ、家か。

……気持ち悪。

リビングのソファーか。目の前のローテーブルに置かれたガラスコップを見ると水を飲みに来たらしい。

ちゃんとスウェットには着替えてる。

でも記憶はない。よく帰って来たな、俺。

いや、むしろ飲み会開始辺りから既に記憶は危うい。

「……」

いい。考えても仕方ない。というより考えられない。

ってゆーか、気持ちが悪い。トイレ行くか。いや、大丈夫か。

寝たまま壁にかかった時計を見る。三時間はある。じゃあ、ベッドでもう少し寝よう。

起き上がる。

「うっわ」

額を抑える。頭が割れる。

午後からだからってはめ外しすぎた。

それもこれも……

「はぁ……」

寝よ。

部屋に入ると、自分が脱ぎ捨てた着替えがあった。

ひどいな。

ジーンズのポケットから、財布と携帯電話が飛び出ているのが目に入った。

携帯電話を手に取る。

動かない頭で充電器に接続して、アラームをセットした。

ベッドに潜り込む。

「ユノが悪い」

一言呟いて目を閉じた。

でも、ユノじゃなかった、

悪いのは。

その時にさえ、気づかなかった俺が、

――最悪だった。

つづく