「眠れない夜のエンジェル1」ユノ×チャンミン
このお話の続きは次回から深夜にだけ公開致します。
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~~このお話は、真夜中に起きているあなたに贈る、真夜中のお話。
星も見えない月明かりもない、
真黒な夜空の中を、白い羽をぱさぱさと動かして飛び回る、
一人の天使がいました。
こんばんは、みなさん。
僕の名前はシム・チャンミン。
僕は、『眠れない人の悩みを聞くエンジェル』です。
今日も良い夜になりましたね。
僕は今、夜の地上を眺めています。
星の明かりや月の明かりよりも、今はネオンが良く見えますね。
僕も昔は人間でした。
けれど、生まれ変わってからはこのエンジェルになったのです。
最近はこのエンジェル、増えました。
大昔に比べて、夜なのに眠れない人が増えたからです。
今日も眠れない人の悩みを聞くために、世界中を飛び回ろうと思ってます。
今はアフリカ大陸の上空を飛んでいます。
ここはとても広い大陸だから、飛ぶのが大変です。
さてさて、眠れない人はいるかな?
「……」
わぁ。寝てる。
みんなめっちゃ寝てる。
最近、結構みんな寝てます。
僕の商売も上がったりだな。
なんて。
あ、お金取るわけじゃないですよ?
僕はエンジェルですから。
そうだ、今日は僕が人間だったころに住んでいた国に行こう。
懐かしい風景が見たいな。
ぱさぱさと白い羽を動かして、天使チャンミンは夜空を飛んでいきます。
その姿は明るければ見えてしまうのですが、月がない今日は誰にも見えません。
あー、やっぱり懐かしいなあ。
僕の故郷が見えてきました。
時々、僕はこうして帰ってきますが、帰るたびに景色は変わっていきます。
これが科学の進歩というやつなんでしょうか。
その時です。
僕の耳に小さな溜息が聞こえました。
(はあ……眠れないなあ)
どこかに眠れない人がいる!
これは僕の出番です。
どこだろう、どこだろう。
ん?
これはこの国じゃないな。
これは隣の国、
日本からだ!
白い羽をぱさぱさと動かして、天使チャンミンは日本にやってきました。
――東京都。港区。
どうやら、このマンションにいるみたいだ。
電気がついたあの部屋かな?
窓から見ると、ベッドに座って俯いてる。
うんうん、悩んでいるんだね。
コンコン!コンコン!
僕は窓硝子をノックしました。
でも、ノックしてから、
そのベッドに座って俯いた顔が
上げられた時に、
僕は、心の底から、
驚いたんだ!
つづく