夢の続き

東方神起、SUPERJUNIOR、EXO、SHINeeなどのBL。
カテゴリーで読むと楽です。只今不思議期。

「ピクニック」ユノ×チャンミンの短編



「海に行こうか」




ユノが言った。



ふと笑ってしまう。



彼は夢を見ているのだ。



若い時の夢だ。



「そうですね」



と言うと、満足そうに頷いている。



「ねえ、ヒョン」



「なに?」



「何か食べたいものありますか?」



「うーん……ないかな」



「そうですか。じゃあ、僕の食べたいものにしましょう」



「うん」



何にしようかな。



最近食べていないものがいいかもしれない。



ああ。



ピザにしよう。



「ピザはどうですか?」



「ああ、いいんじゃない?」



そう言って、笑った。



さっそく出前のチラシを見る。



うーん。



このチーズが沢山かかったのがいいかな。



「ヒョン、これはどう?」



ユノに見せると、微笑んで、じっと僕の顔を見てきた。



「だめですか?」



「いいよ。それで」



僕は口元を弛ませた。



さっそく電話をかける。



ラージサイズを一枚とミディアムサイズを一枚注文した。



「サイズどれにしたの?」



ユノが声をかけてきた。



「ラージとミディアムを一枚ずつ」



「多いよ」



ユノが可笑しそうに笑った。



「そんなことないです。食べられます」



「そっか」



ユノは微笑んで、それ以上何も言わなかった。



それを見ると、なぜか少し胸が痛くなった。



「ヒョン」



「なに?」



「キスしていいですか?」



「うん」



僕を見上げて、微笑んでいる顔にそっとキスをした。



「久しぶりだ……」



顔を離しながら呟いた。



「そっか。じゃあもっとしていいよ」



いい気になって、もう少しした。



鼻先をつけて、見つめあっていると、ユノが言った。



「海に行こうか」



ユノは微笑んでいる。


その顔を眺めて、何を言おうか迷った。



「ピザが……来ますから」



それだけ、言う事ができた。



「持っても、いけるよ?」



ユノが笑った吐息が、顔にかかった。



「チーズが……固まるでしょう?」



「固まってもいいんじゃない?」



「……ピクニック?」



「うん」



でもそれは、きっと難しいだろう。


顔を離しながら、言う。



「じゃあ、明日にしませんか?」



ユノはじっとこちらを見上げて、微笑んだ。



「そうだね。じゃあ明日」



ピザが来て、二人でとろとろのチーズがかかった、熱々のピザを食べた。



「すごく美味しいね、ヒョン」



「うん」



こんなに美味しいピザなら、明日も食べようか。



でも、すごく美味しかったけれど、ユノが言った通り、ちょっと多かった。



「残しちゃいました」


「いいよ」



ユノが笑う。



「夜は、健康に良く野菜を沢山食べましょう」



「腹いっぱいな時にもう夜の話?」



ユノがもっと笑った。



窓の外の日が暮れていく。



明日は、本当に海に行けるのだろうか。



ペンをとって、壁にかかったカレンダーに一応書いてみた。



明日の日付に書いて、ユノに聞いた。



「ねえ、ヒョン」



ユノが見上げた。



「今日も、ピクニックって書いてありました」



こちらをじっとユノが見つめる。



そして、ゆっくり手を伸ばした。



その手を取りながら、隣に座る。



「毎日、ピクニックって書いてありました」



ユノが伸ばした手に引き寄せられて、自分達はまた鼻先で見つめあう。



「……ヒョン?」



「じゃあ、明日は、海に行こうか」



微笑んで言うユノを見つめる。


変わらない笑顔を眺める。



「……行けますか?ヒョン」



「頑張るよ」



ユノが面白そうに噴き出した。



「海に行こう」



もう一度繰り返した優しい声に、頷いた。



「誰もいない海に行って」



僕は目を閉じて聞く。



「白い浜辺で、固まったチーズのピザを食べよう」



笑って、また頷いた。



「二人でピクニックをしよう、チャンミン」










『ピクニック』おわり

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