夢の続き

東方神起、SUPERJUNIOR、EXO、SHINeeなどのBL。
カテゴリーで読むと楽です。只今不思議期。

「Kiss me,baby.18」ユノ×チャンミン


俺は不機嫌な表情のまま、何も言わず控室の鍵を閉めに行く。


ユノは俺の行動を見て、顔を背けながら、この状況に呆れたみたいに息をまた吐いた。


その足で、叩かれた隣に座る。



「どうぞ」



そう言って横目で睨むと、ユノも同じように目を向けた。


悪いのは自分だって分かっているから、やるせなさは一層治まらない。


こちらに向いて、諦めたように、顔を近づけて来る。


俺も体ごとユノに向ける。



あのユノのキス。



触れたかどうか分からないくらいの、かすかなキスが、フラッシュバックする。


あれなら、と思っている自分がいる。


ユノも機嫌の悪い表情のまま、自分達は見つめ合いながら、



その顔が重なった。



そして、ユノが立ち上がる。



「じゃあ、鍵開けて来る」



「なにそれ」



立ち上がったユノを上目遣いに睨む。


今のは、あのキスよりも……触れていなかった。


というよりも、触れていない。


「ふざけないでくださいよ」


「終わり」


顔を背けて行こうとする、自分と同じ灰色のシャツの腕を掴む。


ユノがまた苛立った息を短く吐く。


鋭く振り返りながら、俺の両頬を強く固定して、顎が上げられた。


睨んだ視線がぶつかって、でも、目を伏せた顔が下りてきたのに、思わず怯んだ俺に構わず、



唇は重なった。



座っている俺の腿をまたがって、ソファーに膝立ちで更に深く重ねてくる。容赦なく隙間を舌で割られた。


ぞっとして目を瞑るとゆるりと入って来る。


固定された両頬の力と対照的に、そっと俺の舌を探して、絡んでいく。


唇も静かに動かされて、感触を伝えあう。


手の力が弱められて、


鼻から息を漏らしながら、



むしろこれは目を開けないといけないと思った。



苛立った様子と真逆なキスは、目を開けないと、


これを男だと、


ユノだと、


思わないと、息が上がってきてしまいそうだった。



でも、不機嫌な顔、熱っぽい顔を想定しながら、目蓋を開けて、見上げたそれに、
鼻からの呼吸も忘れる。



声を上げそうなほど、哀しんだ目に見下ろされている。



その間も唇と舌は優しく動かされ続ける。


ユノの瞳が黒くて丸いと初めて知りながら、既にそれは一度濡れたのかと疑いながら、


凝視した目をそこから離せない。



息が上がる。



逃げようと、背もたれにもたれても、優しいキスは逃がしてくれない。


逃げ場を求めた片手が宙を掻く。その手も捕まえられる。


指を強く絡められて、握られる。


哀しい目と見つめ合いながら、唇は溶け合っているように離れない。



なんてキスをされてるんだよ。



外から聞こえてきた誰かの足音に、ユノが素早く唇を離して、ドアに向かった。


俺は、乱れた息を整えようと深く呼吸をする。


ノックされた音と、ほぼ同時にユノが開ける。ソファーに座ったまま、呆然と俺は目を見開いていた。



スタジオが空いたんで、移動お願いします、と顔を出したスタッフが、声をかけてきた。



「すいません。チャンミン歯磨きしたいみたいだから、俺だけ先に行きます」



俺に聞こえるように、



ユノが返事してスタッフとそのまま部屋から出て行った。







つづく

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