「PLAY6」ユノ×チャンミン
立ち上がったチャンミンの距離が近くて、何となく一歩下がると、チャンミンがちょっと面白そうな顔をして、一歩近づく。
怪訝な目をしながらまた一歩下がった瞬間にその腕が伸びた。
「ちょっ」
俺の退路を断つように出された腕のせいで、腰かけに脚を取られて、窓に頭をぶつけそうになる。
それをチャンミンの手が庇った。
そのまま腰かけに座り込む。かばった手のひらともう一方の手も窓につけて、立っているチャンミンが覗き込むように俺を見下ろして平然と言う。
「気をつけて。危ないですよ」
「お前っ、それやめろって言っただろ!」
びっくりを通り越して、腰を抜かした。
「日付けが変わったから。1日1回です」
と笑った顔はやっぱり酔っているように見えた。それを見ると、すぐに俺の感情は怒りより心配に傾いてくる。
「チャンミン、どうしたんだよ?」
「どうもしてないですよ?」
「そんな事ないだろ」
夜景の光がその茶色の髪を青色に変える。黙ったチャンミンが少し首を傾げて俺を見直した。
「本当に男だな」
「なに?」
いきなり何を言い出すのかと思って目を瞬かせた。
「髭も青くなってきてるし」
「なんだよ」
顔をしかめながらもいつものチャンミンの調子に戻ったような言い方で、安心する。
「男の中でも、最近は……おじさんになってきましたね」
「お前ちょっとひどいぞ」
と苦笑しながら俺が言い終わる前に、
「それなのに」
と続いた言葉が遮った。
苦笑した俺を全然構わないような口調だったから、その顔を見上げる。
チャンミンは俺を見つめて微笑んでいる。
「それなのに。俺はずっと、どうもしてないんです」
変でしょう?と言ったその目は全然笑っていなかった。
つづく