「麒麟1」キリン×リョウク
その日はラジオ番組の打ち上げだった。
僕は結構大勢いるアイドルグループのメンバーの一人なんだけど、ラジオ番組なんかもしてる。
終わってからスタッフのみんなでご飯食べに行った。
僕はお酒は強い方だったから、明日は休みなのもあって、沢山飲んだ。
それから、宿舎に帰った。みんなもう寝ていたから、僕もさっとシャワーを浴びて寝た。
と、言うところまでが昨日までの僕。
「ちょっと。ちょっと」
聞いたこともない声だと、思った。
おかしいな。
キュヒョン……じゃない。ウニョクでもない。じゃあ、ドンへ?でもない。
これは一体、誰の声?
でも朝になったみたい。朝日のようなだいだい色の光を感じたから、目蓋を開けたら、
キリンがいた。
「あ、起きた」
短い毛に覆われた柔らかそうな口を左右にもごもごと動かしながら僕に喋った。
「え、キリン?」
「キリン?」
仰向けになった僕が上げた声と同じ言葉を喋って聞いた。
僕は、がばっと起きた。
長い首を曲げて僕を覗き込んでいたキリンは、よけるようにして首を上げた。
Tシャツとパンツ一枚だけで、
起き上がった僕がいたのは、
……サバンナだった。
つづく
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『眠れない夜のエンジェル』完結後に後続として深夜枠に上げようと思っておりましたが、本当にどなたにも読まれない可能性が高いと思い、昼に。