「夢の続き10」ユノ×チャンミン
普段通りだった。
1DKの室内は全く何も変わっていなくて、拍子抜けした。
しかも、
ーーいない。
あの人間がいない!
靴を脱いで急いでテーブルの上を見にいく。
置き手紙もない!
と思ったら、トイレから水を流す音が聞こえた。
ドアが開いてユノが顔を出す。
「あ、お帰り、チャンミン」
にこっと笑う。突っ立ったままその姿を見る。
「どうしたの?チャンミン」
小首を傾げられる。
「あ、いえ。ちょっと期待に胸膨らんじゃって」
「そうだチャンミン!」
ユノが顔を輝かせて台所を指さした。
「見て!ユノ、チゲ全部食べれたよ!」
「ユノって自分で言うのはやめて下さい」
指でさされた洗い済みの皿に視線を向けたまま答える。
あと、分からないでもないですけど、一応作ったのは俺なので完食自慢は複雑な気持ちになります。
「あ、そっかあ。じゃあやっぱり俺か、いや僕?」
洗われた皿の隣に綺麗になった鍋が見えた。
朝、時間なくて放置したけど、あの焦げつきをあんなに磨くのは大変だったろう。まあこの人は時間はあっただろうけど。
一人で今日一日ずっとこの部屋にいたんだよな。
「チャンミン聞いてる?」
「ユノさん、お腹空いたでしょ?」
「え?いや、それがちょっと変な感じで、多分これお腹痛いんだと思うんだけど」
「今日はすいませんでした。何も言わず出て行って。今から何か買いに行きましょう。俺も腹減ったし」
「いや、チャンミン?俺お腹……」
只今19時56分(ユノの退役まで507日)