コツコツ！コツコツ！

ハエかなあ、と思った。

「おい！チャンミン起きろ！」

コツコツ！コツコツ！

でも、声だな、と思った。

人間の声だなって。

「おい！チャンミン！起きろよ！」

目を開けた。なんか夢の中で変な声がした。

もう、まだ眠い。

俺は目をこする。

「チャンミン！俺だよ！俺！」

俺は電気も消えている部屋の天井を眺めて怪訝な顔をする。

コツコツ！コツコツ！

なんだこの音？

ドアの方だな、と思った。

「ヒョンだよ！」

囁くような声がするけど、これは……

「チャンミン！起きろ！」

いやいや。ホラーかよ。

だって、可笑しいじゃん。そんなわけない。

ユノのわけない。

「チャンミン起きろよ！頼むよ！」

え？本当に？でも可笑しいだろ。

あの声はドアの向こうってよりも。

俺は飛び起きて、立ち上がった。

コツコツ！コツコツ！

やっぱりそうだ、ドアだ。

「ユノヒョン？」

「チャンミン？起きた？ドアそっと開けろ！」

なになに？なんだよこれ？

俺は下着一枚のまま、ドアに向かった。

なんとなく言われた通り、それを静かに開けた。

「チャンミンっ！！！どうしようっ！！！」

ユノの声がする方を見た。

ってゆーか見下ろした。

身長16㎝のユノが、

床にいた。

つづく

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王道でございますね。短編ですが、３話位で少し長くなりそうなので区切りました。