夢の続き

東方神起、SUPERJUNIOR、EXO、SHINeeなどのBL。
カテゴリーで読むと楽です。只今不思議期。

「This is love comedy.最終回」ユノ×キュヒョン


部屋の前まで来て、やっとそこで足が地面についたような気がした。


「いや、だから、あの、もしそうだとしてもさ、お、俺の気持ちはどうなるんだよ」


と、言いながらも、俺は着ているジャケットのポケットにいれた自分の携帯電話が見える様だった。


「あれから携帯見ては、キュヒョンから連絡来ないか待ってるくせに」


チャンミンが、仕方がないなと言う風に俺に笑った。


「それにヒョン、今の顔酷すぎます。野菜全然食べなくなっちゃって。アイドルの肌とは思えません」


「いや、あの俺達男同士……」


「確かに男同士はきついよね。俺はゲイじゃないから。でももうユノはきつくないでしょ」


キュミン……


「ドヤ顔もほどほどに」


シウォンが念を押すように頷く。


「うちの末っ子の方がお前より可愛いから我慢してくれ」


甘すぎるイェソンの隣でリョウクが笑う。


「俺はユノヒョンの味方ですから!」


ウニョクが出てくる。


「芸能人にスキャンダルはつきものですよ」


「ご乗車ありがとうございました」


「もう、良く分かんないけど早く行けよ!」


親友に背中を押されて、室内に倒れこむようにして入った。



閉められたドアを、唖然と見ながら、唾を飲み込む。



「ちょっと待てよっ!俺部屋が分か」



ドアの向こうに話しかけて途中でやめた。肩を落とす。だめだ、こいつら俺の話聞かないんだ。


それに……確かに、俺はあれから、何かにつけては携帯電話を見てた。でも、連絡が来ないのが寂しいなんて感じるのは、それまでずっと毎日してたからだろう?


溜息を吐いた。


だめだな。どんな理由をつけたって、俺にはもう、あの変な毎日が日常になってて、あいつがいない今の生活には慣れなくて、寂しくて、というよりも、



「いつの間にか」



と、呟いてまた溜息を吐いた。


ていうより、これで本当はあいつが俺のこと何とも思ってなかったとか、そういうのあるんじゃないの?
あ、恐い、その話恐い。だって、あいつだぞ!あの数か月、俺を振り回しに振り回したあいつだぞ!


短く首を振る。



「度胸持て」



靴を脱いで、中に入る。自分の心臓が狂ったように動くのと暖房でのぼせて、ジャケットを脱ぐ。薄手のトレーナーにジーンズでもまだ何となく暑い気がする。無駄に片手で仰ぎながら、廊下を歩いて行く。



どこだよ?


ここは、ダイニングだよな?


じゃあここか?誰もいないな。


これは?トイレかよ。


ここは?誰もいないな。


ここ?洗面所ね。


これは?なんだここ。



こっち?




「おい……誰もいないぞ」



俺は呆然としながら、でも何となく安堵感もありつつ後ろを向いた。



「ユノヒョン?」



「待て、心臓が」



片掌を向けて、深呼吸をする。息が止まったぞ。


Tシャツにハーフパンツ姿できのこ頭のキュヒョンが俺の背後に立っていた。
懐かしくて、呼吸を整えながら眺める。


「本当に飲んでるんだな」


テレビの中でも、事務所で見ても、元気そうだったのに。泣き腫らしているのか、酒なのか、むくみと肌荒れがすごいな。


「ユノヒョン、肌荒れひど過ぎます」


お前が言うのか。今も少し酔っているキュヒョンが俺を見ている。


うーむ。どっからどう見ても男。しかもコンディションは最悪。



「お前もな。でも、好きだよ」



軽く言った俺をぼんやりとキュヒョンが眺めている。まあいいや。



「だから、もう一回俺と付き合ってよ」



酔っているのか、理解しにくい状況なのか、まだぼんやり見ている。まあこれもいいや、俺はしたいことがあるんだ。



「はいって、言わないとチューするから」



そう言って、もう反応なんてどうでも良く、その体に一歩踏み出した俺を見て、
キュヒョンが我に返ったように目を輝かせた。


その瞬間、諦めた風に遠い目になった俺に声を出す。



「はいっ!」



もう何も構わず、元気よく言ったその唇を塞ごうと手を伸ばす。


それと同時に玄関のドアが開いて外の連中が全員なだれ込んできた。



「どう?どう?終わった?」



キュヒョンが満面の笑みで答えた。




「終わった!」




「終わってないぞ!!」














『This is love comedy.』fin.










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お付き合い頂き有難うございました。

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