「チャンミンくんの恋人3」ユノ×チャンミン
部屋に戻った。
「恐いっ!恐いっ!」
ああ、そうか。
できるだけ腕を振らないように歩いてみる。
掌に、温かさを感じる。
これは人形じゃない、やっぱりユノなんだ。
俺は、二人だけのアイドルグループである自分達のこれからを、想像して、視線を泳がせる。
どうしよう。
でもユノは、きっともっとそんなものじゃない。
ベッド脇のテーブルの上に、そっと乗せた。
「チャンミン!死ぬかと思ったぞ!ああいうのやめろ!」
ユノ以外、スタンドも全て、そこに置いていたものをどける。
ベッドに腰掛けた。
ティッシュで体を巻くこともせず、ふわふわの薄い紙を下敷きにしてユノが怒っている。
「高さを考えろよっ!お前の身長で持ち上げられたらさっ!」
俺が腰かけたことと、テーブルの高さで、50㎝ほどの差しかない位置から眺める。
これがユノか。
……ぞっとするな。
膝に、肘をついて手のひらを組む。
「ヒョン。何があったか言ってください」
口を尖らせたユノが、ティッシュの上に腰掛けた。
「ヒョン、ちょっと待って」
立ち上がってクローゼットに向かう。開ける。
やっぱりあれじゃダメだな。
目についたハンカチと手首につけるサポーターを取った。
「体に巻きやすい方身につけて」
同じようにまた俺は腰をかけて手を組んだ。
ユノが俺の顔を見上げて、口を尖らせたままティッシュの絨毯の上でしぶしぶそれを試してみている。
自分と同じさらさらとした茶色の髪が揺れる。
でも全く俺と同じじゃない。
パートナーが突然、
親指姫になってしまった。
つづく