夢の続き

東方神起、SUPERJUNIOR、EXO、SHINeeなどのBL。
カテゴリーで読むと楽です。只今不思議期。

「麒麟4」キリン×リョウク


僕は昨日の夜、



とても酔っ払った。



ラジオ番組の打ち上げに出ていた。



強い方だから、結構飲んだ。


仲の良いスタッフの一人に恋人が出来た。


恋人が出来て、結婚が決まった。
みんなですごく祝福して、僕はそんなことを思い出しながら、一人で宿舎に帰った。


シャワーをさっと浴びて、乾燥が酷くてパックをしながら部屋に戻った。


そのパックの美容液が肌に浸透する間、



――僕は寝ずに何か考えていたような気がする。



目蓋を開けた。



全く寝てはいないし、時間も経っていない。


きゃっきゃっ、と声がする。



ラーテルだな。



でもそれがどんなものなのかは僕には分からない。
硬い岩肌を頭に感じながら、
僕を覆い隠すように巻き付いている動物をそっと見た。



「眠れないの?」



黒い瞳が開いていた。



「ごめんね、起こした?」



「起きてた」



そう言って、僕に巻き付けた首を少し動かした。



「ねえ」



一、二時間程かもしれないのに、僕を見る黒い瞳を久しぶりに感じた。



「他の人間とも喋ったことある?」



少し頭を傾げて、唇の境の無い口元が動いて答えた。



「ないよ」


「そっか」



その顔から目をそらせた、でもキリンはこっちを見つめ続けている。



「でも僕はずっと人間といたよ」



そらせた顔をまた戻した。



「僕はセンターで育ったから」



表情の無い顔が僕を見ている。でもその言葉の響きには僕なりの寂しさを覚えた。
何となく手を伸ばしてその顔を撫でた。
キリンは何も言わず触られている。


「だから言葉が話せるんだね」


僕は微笑んだ。黒い瞳がじっと見つめる。



「ううん。話せない。何となく伝わって来る気はしたけど、


人間の言葉は分からない。僕が声を出しても、人間は分からなかったよ」



撫でながら、僕は眺めた。


キリンはじっと触られている。



「僕も……キリンと話したことはなかったよ」



密に生えた柔らかな毛が僕の手のひらを伝う。


僕たちは見つめ合った。


自分達が見つめ合うのは不思議で、本当にそういう行為なのか分からなくなる。


それでも見て、でもやっぱり分からなくて、


僕は何気なく目を空に向けた。


「うぁ……」


撫でていた手を下ろして、柔らかい首の下で、体ごと仰向けになった。



巨大な満月。



何にも邪魔されない月が自分達に光を注いでいる。



そして、その月明かりにも邪魔されない星々が、


黒い空を覆っていた。



「こんな星空、見たことない」



大きな星が落ちてきそうだった。



「明日は晴れるね」



キリンに明日の天気を教えてもらった。









つづく

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