夢の続き

東方神起、SUPERJUNIOR、EXO、SHINeeなどのBL。
カテゴリーで読むと楽です。只今不思議期。

「チャンミンくんの恋人5」ユノ×チャンミン


ユノが家族の人と話しているのを俺は聞いていた。


俄かには信じがたい話で、手間取っているのを見ながら、


そのテーブルの上に置いた携帯電話と、通話口に向かって四つん這いになって必死に話すユノの身長が、変わらない大きさだと言うのを改めて気づいて、じっと見つめた。



「……うん。様子見るから、何かあったらチャンミンが連絡してくれるし、


とりあえずこのことは……誰にも言わないようにして、うん。ありがとう。


俺は父さんにも、母さんにも、すごく感謝してるから


……本当に息子で良かったって思ってる……うん。じゃあ、おやすみ」



スピーカーで、恐らくユノのお母様の泣き声と共に通話の切れた音が流れた。


ユノが四つん這いの体勢から座り直して、こちらを見た。


俺は立ち上がって、携帯電話を取って、さっきと同じベッドの端に腰掛ける。


ユノは、また体操座りで、ぼんやりした。


俺は両ひざに両肘をついて、組んだ手に携帯電話を握って体を前屈みにしながら、


なかなか言葉が見つからなくて、ユノを眺める。



「……良かったんですか?」



やっと声を出すことができた俺をちらりと見て、ユノは体を上下に揺らす。



「うん。本当は心配かけないように言わない方が良かったかもしれないけど、


万が一のことがあるからさ。でも、やっぱり事務所の対応聞いてから」



明日にでも飛行機のチケットを取って日本に来ると言った家族の申し出を、ユノは断った。



「まあ、対応聞いたら、明日でも明後日でも、来て頂くことは出来ますよ」



「うん」



でも、明日の仕事がキャンセルなことは間違いない。


ユノは体を揺らして自分の膝を見つめておどけたように何度も頷いている。


言葉がまた出てこない。


年下の俺は、この兄のようなリーダーに甘えてきた面が多い。


でも今は、長年連れ添ってやってきたパートナーとして、


人として、それではだめだ。


言葉を探す。



「ユノ」



なぜか呼び捨てた俺に向いた。何となくその姿が子供のように見えたのかもしれない。


見つかった言葉は、誰が聞いても陳腐だと思った。


でも言おうと思った。



「俺が……」



ユノがぎょっとした顔をしたから言いかけてやめた。でもその口の端はちょっと上がっている。



「なんだその顔」



ぼそっと呟いた自分に、ユノが怪訝な目をしながら、開いた口に今度ははっきりと笑みを浮かべた。



「いや……チャンミンがなんか面白いこと言いそうだったから」



ユノが声を出して笑う。



「びっくりしたー」



「いやいや、びっくりしたのはこっちだから」



マジで。




俺もやっと、このユノと少し笑うことが出来た。








つづく



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