夢の続き

東方神起、SUPERJUNIOR、EXO、SHINeeなどのBL。
カテゴリーで読むと楽です。只今不思議期。

「チャンミンくんの恋人9」ユノ×チャンミン

「うおいっ!!!」



立ち上がってマネージャーと同時に声を上げた。


ユノがしょぼくれた顔をする。


「ユノっ!ダメだって言ったろう!」


マネージャーが目を閉じて脱力した。


「え、ちょっと待って下さい?」


俺は二人に向かって、動きを止めて思い出すように、視線を上にした。


「何か乳製品って……」


呟きながらユノを見ると、もじもじしている。


「あっ!!あのロールケーキっ!!あれも食べたのっ?」


ユノがもじもじしながら上目遣いに見た。


「ふた口だけ……」


「クリームのとこだろ!」


俺が言うと口を尖らせた。


「ま、まあいい。とりあえず俺は事務所に戻る。お前達はもう休んでいいから」


くれぐれもユノを慎重に扱うように、


と言ってマネージャーは宿舎を出て行った。


取り残された自分達は、また俺の部屋に戻った。

ベッド脇のテーブルにバスタオルを引く。



「明日はデスクをここに持ってくるんで、とりあえず今日はそこで寝て下さい。落ちないで下さいよ」



フェイスタオルを掛け布団の替わりに、ユノの横に置いた。


タオルの上で突っ立っているユノを見る。

良く見ると、包んでいるハンカチがココアの染みだらけだ。



「ヒョン。ちょっと違うハンカチ出しますから。あとお湯持ってくるんで顔とか拭いた方がいいです」



「……ありがと」



俺を見上げてぽつんと言った。


「どうしたんですか?」


ユノはぼんやりと俺を見ている。


「俺、みんなに迷惑かけてるな」


実のところ。少し弛んできた腹以外、ユノは見た目には太っていない。新曲のプロモーション活動と重なったから、言われていただけだ。


「誰だって、お菓子食べて小人になるとは思いませんよ」


俺が言うと、それ以上ユノは喋らなかった。

小皿にお湯を貼って、持って行く。

新しいハンカチに着替えさせる。


「ヒョン。もっと深いお皿にしてお風呂入る?」


「いいよ、これだけでも恥ずかしい」


別に裸なんて見慣れているけど、着替えを手伝われるのも恥ずかしいのかもしれない。

小皿の中に立って布から出た顔や手足をお湯で洗っている。俺はベッドに腰掛けた。


「気持ちいい」


笑みを浮かべている。色の抜けた毛先が濡れて、楽しそうな顔に沢山かかっている。

俺も微笑みながら、指先でそれを払ってやった。

ユノが動きを止めて俺を見た。

見られて何となく気まずくなって、手を戻す。

だって小動物みたいだし。実際小動物だし。


寝る準備も整って綺麗になったユノが、横になってフェイスタオルを自分の上にかけている。

電気を消した。


ベッドに横になると、ユノと高さが同じになった。


ユノはこっちを向いている。


「見つめないで下さいよ」


「だってチャンミン寝てる間に腕とか振り上げて俺つぶしそうなんだもん」


ああ、そうだ。確かに。

俺は反対側の端まで下がった。


「あんまりそっち行くな」


「どうしろと」


「そこまでは行かなくていいだろ」


俺は少し戻った。

ユノは何も言わなくなった。


「じゃあ、ヒョンお休み」


「うん」


ユノの声も疲れている。


「なあ、チャンミン」


閉じた目を開ける。


「俺、トイレはどうすればいいんだろ」


俺達は見つめ合った。



そして俺はまた目を閉じた。



「チャンミンっ!ちゃんと考えてくれよっ!」









つづく

×

非ログインユーザーとして返信する