夢の続き

東方神起、SUPERJUNIOR、EXO、SHINeeなどのBL。
カテゴリーで読むと楽です。只今不思議期。

「麒麟8」キリン×リョウク


「今日中に森を抜けないと」


キリンが脚を速めた。


「夜になったら危ないから」


新たに取って来たマンゴーを抱えて僕達は歩く。
はじめて川に出た。
茶色く濁った水の中にすごく大きな泥の塊のような物体が三つ見えた。
それがぶしゅっと鼻から水を出した。


「カバっ!!!」


僕は顔を輝かせる。ぶるぶると揺れる大きな口がぱかっと開いた。
親子なのかもしれない。
二匹の間に小さくあどけない一匹が挟まれている。


「だめ」


近づこうとしたら隣から言われる。
三匹の横で、川辺に密生していた、すすきのようなイネよりも背が高い、長い草が揺れた。


口の長く尖った、薄黄色と灰色の爬虫類が、顔を出した。


ぎざぎざと鋭い歯が並んでいるのが見えた。


僕は……動けなくなった。


見たことがないほど、大きなワニが静かに水中に入った。


あのカバを……食べるんだ。


僕なんか簡単だ。


……ここはやっぱりそういうとこなんだ。


そう思った瞬間、


音を立てて水しぶきが僕達に飛んできた。
黄色い硬そうな腹が、宙に浮かんでいた。


カバが大きな口で、ワニを咥えて投げ飛ばしていた。


「え」


僕は目を丸くする。
ワニは傷を負ったのかその体の周りの水が少し赤くなった。
ぴくぴくと体を動かしながら、流れに身を任せるように流れていく。


「カバには、気を付けて」


キリンが言った。



「人間がかけた橋があるから」



川辺に沿って歩き始めた。
……そのせいか、向こうの川岸には草がぼうぼうに生えているのに、こちら側のこの一帯は比較的草が少ない。でも道はぬかるんで凄く歩きづらい。


「一人じゃ来ちゃダメだよ」


「来れないよ」


川には、カバだけじゃない、


沢山の動物がいた。


「あの牛、角が生えてる」


水牛かなあ。群れで水浴びをしていて、迂回する。


「あれ鹿かなあ、牛かなあ」


なんでみんなあんな大きな角が生えてるんだろう。


暫く歩いて、前を行くキリンが脚を止めた。


「ここ」


僕も足を止める。


目を瞬かせた。


「え……これが橋?」


キリンが振り返る。


「そう」


丸太が三本かかってるだけじゃん!
しかも水面すれすれっていうか、ほぼ水の中だし!


「僕は泳ぐから、渡って来れる?」


え、キリンって泳げるの?
あ、ううん、そんなことより、
僕ここ渡るの!?


でも、


「……渡れる」


っていうよりそれしかないよね。
キリンが僕を見つめた。


「恐い?」


「大丈夫」


「水の中の生き物に気を付けて」


「恐いよっ!」



水の中に何がいるのっ!









つづく

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