「PLAY9」ユノ×チャンミン
日本用のツアーの打ち合わせをしなければいけなかった。
ツアーのラストは自分達の国だけれど、一番長く、規模の大きな場所は日本だった。
「ヒョン。ここは俺ですよ」
「あ、そうだ」
「俺のパート取らないで下さい」
特別なツアーだったから、力が入ってるのに加えて、心なしかスタッフ全員の口数が少なくなっている中、チャンミンと俺は良く喋った。
俺達の会話を聞いて、笑いが漏れる。
その相乗効果でまた良く話して、緊張感のある時間が流れる中で、いつもどこかに達成感と、昂揚感以外の楽しさがあった。
舞台装置が運ばれてくると、感慨深さも出てくる。
夜に、スタッフも少なくなって、みんな食事に出て行ったり各々の時間を過ごす中、客席に座って、出来上がって来る舞台を眺めていた。
「もう行きましょうよ」
ダークグレイのパーカーのフードをかぶって、ポケットに手を突っ込んだチャンミンが客席の間にある階段の上から降りてきた。
「うん。行くよ」
と、答えても、漠然と動かない俺の隣の席に座った。
「あーお腹空いたなー」
とこれみよがしに言われて、苦笑する。
「ダイエット解禁できて良かったな」
最近なかなか自分で納得のいく体にならない俺の代わりにチャンミンは見せる為に体型を絞っていた。
「結果的に解禁になってるだけで、心の中では続けてます」
「そうだね」
とまた笑うと、「そうですよ」とチャンミンは得意そうに言った。
つづく