夢の続き

東方神起、SUPERJUNIOR、EXO、SHINeeなどのBL。
カテゴリーで読むと楽です。只今不思議期。

「麒麟13」キリン×リョウク


「喉乾いた?」


「少しだけ」


「苦い?」


「めちゃくちゃ」


割ったスイカを食べながら歩いた。


「休憩できるところまで、まず行こう」


そう言われて、残りのバナナを持って目指す。

頭にはスイカ、

ぴったりと大きな葉で覆った僕の体。


キリンが僕を覗き込む。


「ここだと良く目立つね」


砂漠化した大地に、緑の僕とキリンが歩く。


「僕目立つの慣れてるよ」


「そうなの?」


「いや、言うほど、目立ってなかったかも」


「そうなの?」


僕はふふふと声を出して笑った。

もしキリンが僕のところに来ていたら、目立ったのはキリンの方だ。

もし、キリンが来たら……

歩きながら、見上げた。

少し顔を傾げて見下ろされる。


僕の部屋は、狭すぎるよね。


そっと、その腹に手を伸ばした。

温かい。


「寒い?」


僕にくっつけるように首を下ろした。


「ううん」


もう日は昇って、むしろ汗をかいてきそう。

これから更に気温は上昇する。

でも夜にはこの体温が僕を守る。

昼にはこの大きな体は日除けにもなってくれる。

その存在ぜんぶに、僕は救われている。



なのに、僕の部屋は、狭い。



何となくぼんやりした。


「リョウク暑い?」


上から声をかけられて、頭を横に振った。


「大丈夫」


「明日の夜までには、きっと着けるよ」


今度は縦に振った。

声をうまく出せなかった。


大分歩いて、いよいよ日差しはきつくなって、僕は苦いスイカを食べ続けた。

キリンが日よけになってくれるけれど、それでも気温は高い。

ジャングルが恋しくなった。

砂漠化は更に増して、砂にも水分が含まれなくなっているのが分かる。

さらさらと風に乗って、砂が舞う。


喉が焼けつく。

汗が噴き出す。

眩暈がしてきた。


動物もいない。さっきから顔も上げられない僕の足元には、

一匹だけ直径3~4㎝の土の球体を転がしている虫が横切っただけだ。

スイカも見当たらなくなって来た。


喉が、乾いた。


もしかしたらもうダメかも知れない。

やっぱり僕は運がないのかな。

でもそうとも言えないよね。

僕には今、優しく付き添ってくれるキリンがいる。

それだけでも頑張った甲斐があったのかもしれない。


この運命はきっと僕にとって酷くない。

それはきっと僕が頑張ったからなんだ。


「あそこだから、大丈夫だよ」


優しい顔が僕を覗き込んだ。


僕がゆっくり顔を上げた向こうに、



緑のオアシスが見えた。







つづく





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