「DOKI☆DOKI☆らぶ♡4~ライバルは学級委員~」シウォン ユノ チャンミン キュヒョン ミノ
~~~~前回までのあらすじ~~~~
男子校に通っているシウォンはなんと女の子!中がバターまみれの鞄を「殺しのバンビ」が家まで届けてくれたっ☆でも鞄がぶつかって、部屋の窓はBAKI☆BAKI☆にっ!?大好きなユノ先生とのあんな事も明らかになって、学園のアイドルで友人のミノ、ライバルの学級委員キュヒョンも交えたシウォンのDOKI☆DOKI☆学園生活はどうなるのっ!?☆
っもう!信じられないよっ!シム・チャンミンのヤツっ!
夜にガラス拭きしてたって理由を思いついたから良かったものの!下手したら警察ZATAっ!
パパには、「シウォンは、パパより力持ちだな!」なんて言われちゃうしサっ!
……まあ鞄の中は、
綺麗に拭いてあったけどサ。
「おはよっ!シウォン!」
後ろから走って来たミノに、肩を叩かれた。
「あ、うん」
「何だよ、まだバターのこと気にしてんの?あいつ、お前んちまで、それ届けたんだろ?しつこく聞かれて参ったよ」
ミノと肩を並べて歩き出した。こいつユノ先生と身長変わらないんだよね。
「え、そうなの?」
「俺が届けるつもりだったんだよ」
ふーん。そうなんだ。ミノなら、窓……割れなかったろうナ。
「あっ、あのっ!ミノさんっ」
正門に入った途端、待ち構えていたミノの親衛隊に囲まれた。
そうだっ!これ忘れてたっ!
「ミノさんっ!これ受け取って下さいっ!」
「わぶっ!やめっ」
これっ!これっ!と押しつぶされる。
「おぶぁっ!やめっ」
ミノは涼しい顔で受け取っていく。
「っもう、先行ってっ!ミノっ!」
「あーい」
俺はぼろぼろになって校庭で、しゃがみ込んだ。
ひどいよっ!今日はお気に入りのお花のコロンつけてきたのにっ!汗臭い男たちの匂いでイッパイっ!
しかもシウォン、女の子なんだヨっ!なんでミノの方がもてるのっ!
「なにしてんだ?お前?犬みたいな恰好して。やっぱりバター犬か?」
この声と暴言はっ!
顔をあげると、シム・チャンミンがのけぞった。
「おわっ。何でお前はいつも何かで汚れてるんだよ」
「うるさいなっ!」
なにで汚れてるワケっ!っもうヤダっ!
立ち上がりながら見ると、学ランは埃だらけだし、いっぱい色んな物がついている。
「ほらっ。これで拭けよっ。ったく」
ハンカチが差し出される。こいつ野蛮なのにいつもハンカチ持ってんだよネっ。
変なのっ!
「……っもう……ありがと」
目についた汚れを拭いてみた。
「これ、洗って返すから」
「いらねーよ」
顔を見ると背けて、歩き出した。なんかまた赤くなってる?
「ちょっと、待ってよっ。あ、それより昨日あれから大変だったんだからっ!あっ!逃げんなヨっ!!」
きーんこーんかーんこーんきーんこーんかーんこーん
「ギリギリだな。シウォン」
ああん、またこんな時間になっちゃった!ユノ先生呆れちゃうんだからっ。
「……すいません」
クスっとユノ先生が笑った。
「今日は遅刻じゃないぞ」
「あ……はい」
ちょっと変わった恰好今日もしてるけど、ステキ……
バターのこともなんかばれてないみたいっ。良かったっ!
ぺこりと頭を下げて、席に着こうとした。
その時っ☆☆
「シウォン」
いきなり肩を掴まれて、ユノ先生の顔が目の前に来る。
「縮れ毛、ついてるぞ」
俺の鼻の頭についていた誰かの縮れ毛を、長い指がサッと取った。
優しい笑顔でふっと微笑む。
シウォン、ユノ先生のオヨメサンになりたいヨっ!こんなに素敵な人どこにもいないんだからっ!
「あ、ありがとうございますっ」
「よし、席つけ」
席に向かうと、俺のことをちらりと横目で見て、視線を背けたシム・チャンミンと、
顔の前で手を合わせて、「わりっ」と、謝るミノがいる。
っもう、こいつらも、ちょっとはユノ先生見習えっ!
「あっ!」
「どした?」
いっけないっ!さっきの化学室にペンケース置いてきちゃった!
「先戻ってて!ミノ。俺、忘れ物したっ」
「おー」
っもう!あわてんぼシウォンさんっ!
息を切らせながら化学室に入ると、黒板を消している学級委員がいた。
「あ……」
メガネをかけたキュヒョンが振り向く。ちょっと、見つめ合った。
「……忘れ物?」
「うん」
こいつは俺のライバル。ユノ先生が好きなんだ。誰も気づいていないけど、俺だけは分かる。
男なのに、俺より色が白くて、ユノ先生に話しかけられると、いっつも顔赤くするんだっ。
「キュヒョン、何で黒板消ししてんの?当番じゃないだろっ?」
俺の席に行くと、机の下の物を置くスペースにちゃんとペンケースはあった。
「あいつ……忘れたみたいだから」
キュヒョンは後ろを向いて消しながら喋る。
「言えばいいのに」
「面倒くさい……」
消し終わって、キュヒョンが手を洗っている。
見ると、肩や背中に粉がついている。
体を払い出したキュヒョンの隣に行った。
「あ、ありがと」
背中を払ってあげる。
「頭もついてるヨ」
頭も払ってあげた。こいつ俺より背が低いんだモンっ。
顔もまあまあ整ってるし、嫌になっちゃうナっ。
「学ラン、黒だから目立つヨネ」
やっぱ、セーラー服着たかったナ。
「うん……あのさ」
「なに?」
払い終わって、キュヒョンが言いかけて、足元に視線を泳がせる。メガネにもちょっと粉かかってる。
「あの……」
「うん……」
何となく言いたいことが分かって来た。
「シウォン、ユノ先生のこと……」
ヤッパリ。
「……キュヒョンもでしょっ」
キュヒョンが視線を泳がせながら黙った。
俺も手を洗って、ハンカチで拭く。
それからキュヒョンのメガネを取った。驚いて顔を上げてくる。
「ここも汚れてるヨ」
軽くハンカチで払ってから、かけてあげる。キュヒョンが目を瞬かせた。
「頑張ろっ」
瞬かせながら俺を見る。
「お互いさっ」
俺が言い終わると、こちらを見つめて、
少し笑顔になって頷いた。結構かわいいジャンっ。
「いこっ。次の授業遅れちゃう!」
「うん。……シウォンが……羨ましいよ」
「なんで?」
俺達は走った。
「だって、ユノ先生と仲良いから」
仲良いのかな。そう言われると嬉しいカモ。
「じゃあ、俺が一歩リードだネっ」
「でも俺も頑張る……」
「負けないっ!」
ふふふと笑い合いながら教室に戻った。
きーんこーんかーんこーんきーんこーんかーんこーん
「シウォン、お前今日も弁当?」
「うん」
なんとなく、一番前の窓際のキュヒョンを見る。アイツ今日も一人で食べるのかナ。
そこにっ☆☆
「おい、シム・チャンミンいるか?」
大きな音で引き戸が引かれて、見たこともない生徒が、真ん中で分かれた長い前髪を掻き上げながら、ドアに手をかけて言った。
「あ、あいつ……」
ミノが少し目を見開いてそっちを見る。
なにっ、何なのっ!
俺の前のアイツは、授業中に早弁して、授業が終わって机で寝ている。
「シム・チャンミンどれだよ?」
固まっているそこら辺の生徒に声をかけている。
「稲妻シンデレラだ……」
「稲妻シンデレラ?」
ミノの顔を見る。
「ここの番長だよ。綺麗な顔に似合わず、めちゃくちゃ喧嘩強いんだ」
小さな声でミノが喋る。
怯えた生徒が俺達の方を指差した。
稲妻シンデレラがこっちに向かって歩いて来る。
え、うそっ!ヤダっ!
☆つづく☆