夢の続き

東方神起、SUPERJUNIOR、EXO、SHINeeなどのBL。
カテゴリーで読むと楽です。只今不思議期。

「DOKI☆DOKI☆らぶ♡8~招かれてはいない客~」シウォン ユノ チャンミン キュヒョン ミノ ヒチョル

~~~~前回までのあらすじ~~~~
男子校に通っているシウォンはなんと女の子!文化祭で「桃太郎」を公演することになったシウォンのクラス!☆「シンデレラ」を演じる稲妻シンデレラにユノ先生のことが好きなのがバレちゃった!?おばあさん役の殺しのバンビ、桃太郎役で友人のミノ、おじいさん役で学級委員のライバルキュヒョンも交えたシウォンのDOKI☆DOKI☆学園生活はどうなるのっ!?☆







合って、ふとそらされる。



「俺、行くわ」



「待てよ」



こちらを見て微笑んでいた顔が、シム・チャンミンを流し目で睨んだ。



「お前、分かってんな?文化祭終わった日だぞ」



「うるせーな」



背中を向けたまま、アイツが言い放つ。



「来なきゃ、キスだ」



うんざりしたように溜息をつきながら、シム・チャンミンが行こうとしてまた足を止めた。



「家庭科室わかんねーわ」



ぼやいてから、緊張した面持ちで見ていたキュヒョンの肩口を引っ張る。



戸惑ったキュヒョンを引きずって行ってしまった。



なっ、なにあれ!



何で白い目で見られなきゃなんないのっ!



っもう……ナンダヨ……



「先輩。俺もですよ」



ミノが立ち上がりながら、番長ににこっと笑った。



「勝手にしろよ」



可笑しそうにククっと笑って、



「じゃあね、可愛い子ちゃんと、変な恰好の先生」



と、手を振って、シンデレラ演じる稲妻シンデレラが、ぴしゃりと窓を閉めた。



「……じゃあ……行くか……」



呆然としながら、ユノ先生が横髪を手ですいて言う。



俺とミノが頷いて三人で歩き出した。



数秒の沈黙の後。



「……なあ、俺の恰好って変なの?」



ユノ先生がぽつりと呟いて、俺とミノが「あ、うーん?」とか「え、あー」とか言いながら家庭科室に着いた。




「なあ、シウォン。今日お前の家行ってもいい?」



「あ……いいよ」



ミノとの帰り道。



テミンいるかな?友達とか呼んでないといいケド。



「あの漫画の続き読みたい」



「ああ、うん。かすよ」



弟のだけど、まあ大丈夫カナ。



それにしても、シム・チャンミン。



本当になんなんだろっ。あれから全く話しかけて来なかったし!



ユノ先生が好きなこと……バレちゃったのカナ。



男が男を好きになるっていうのが、キモチワルイって思った?



でもシウォン、女の子なんだヨっ!!



それにコイツなんか、毎日毎日男から告白されて、今だって俺にまで持たせて、山の様なプレゼント抱えて帰ってんだから!



一体毎日何貰ってんのっ!



「なに?シウォン?」



「あ、何でもない」



プレゼント抱えたミノから、また顔を道路に向けようとして、思い出したっ!



「ってゆーか、ミノ。本気で喧嘩なんてするつもり……かよ?」



「まあね」



ミノを見ると、表情を変えないままにこにこしている。



「なんで?可笑しいジャン!男が男にキスするのに、喧嘩してまで止めるなんて!」



ミノも、アイツもっ!!



「なんでかなあ」



ミノはそう言ってにこにこしたまま、それ以上何も言わなくて、



俺は口を尖らせたまま、うちについた。



「ちょっと、待ってて」



ミノを玄関先に残して、急いで二階へ駆け上がる。



「あ、姉ちゃん、お帰り。姉ちゃんこそ、ノックしろよ」



「アンタっ!今から友達来るから俺の部屋行っててよ!」



「えー!嫌だよ!姉ちゃんの部屋テレビないじゃん。今いいとこなんだよ」



ゲーム機を持ったテミンが、また画面を見た。



「仕方ないでしょ!来ちゃうんだから!ゲームばっかしてると馬鹿になるんだからネ!」



「ずるいや姉ちゃん、そればっかり」



「いいから、早く!」



「ちぇっ、ひでえや」



青いパーカーとハーフパンツ姿のテミンが、テレビからゲーム機を外し出す。



「下でするならママにおやつあるか言っといて!」



「ほーい」



ミノが部屋を見渡しながら、持っていた荷物を全部置いて、床に座る。



「お前、本当にマイケルジャクソン好きだよな」



「ま、まあね!や、やっぱスーパースターじゃん?」



あ、テミン、ちゃんと掃除してんのカナ?



ホッ、良かった。まあまあ綺麗だネ。



「あ、漫画だよね?」



確かこの棚に置いてたと思うんダケド。



「なあ、シウォン」



「なに?」



いつもの何気ない口調で、ミノが後ろから呼びかけてきた。



「番長が言ってたの、ほんと?」



本棚をかきわけていた手を止める。



「ユノ先生が、好きなの?シウォン」



「あ……」



後ろで座っているミノを見られないまま、目を丸くする。



「す、好きじゃ……ないよ!」



振り返って笑う。



ああん、シウォンの嘘つきさんっ!!!でも言えないヨっ!!



ごめんなさいっミノ!!ユノ先生!!



「そっか」



ミノがにこっと笑った。俺の笑顔はぎこちない。



「いやっあの」



「おやつ持ってきたよ」



「ヒエっ!」



ノックの音と同時にした声に飛びのく。



「あれ?シウォンの弟?」



あ、あいつが来ちゃったのっ?



「あ……うん」



恐る恐るドアを開く。



(ちょっと!何でアンタが持ってくんのよ!)



(だって、俺が持って行けって言われたんだもん)



小声でやり取りしてると後ろからミノが来た。



「へー!これがシウォンの弟!弟いるって聞いてたけど、全然似てないな」



「良く言われ……ます」



テミンがちょっと緊張したように目を泳がせながら呟く。



「敬語いいから、まあ、入ってよ。あ、俺の部屋じゃないけど」



ははっとミノが笑って、踵を返す。



「俺の部屋だもん」



ちょっと声を出したテミンを肘で小突く。



「あ、ワッフルだ。うまそー」



「テミンのもあんの?」



「うん、ある」



「テミンって言うんだ、よろしく。俺ミノ」



ミノが爽やかに笑って、床に座ったテミンに片手を差し出した。



「姉……兄ちゃんより、背高いんだね」



テミンがミノを見ながら、そろそろと手を出して握手をした。



「ああ、うん?なんで?」



「ちょっとコイツ、判断基準がオリジナルでさっ!ほらワッフル食べろヨ!」



「え、ちょっモゴっ」



テミンの口にワッフルを詰め込む。



「そういや、シウォン漫画どうなった?」



「ああ!あれね!ほらテミン、ちょっと兄ちゃん手が離せないから、ミノに出してあげて、前かしてあげたやつ!」



ワッフルにむせながら、テミンがキッと俺を睨む。



(仕方ないデショっ!!)



俺に小声で返されて、仕方なさそうに本棚からミノに漫画を取った。



「サンキュー。あ、あと、あれも読みたかったんだよ。こないだ新刊出たさ、えっと」



また、それっぽい漫画を出してミノに渡して、テミンが戻って来た。ミノは嬉しそうに漫画を眺める。



「おーありがとーテミン。シウォンの本棚に何が入ってるか分かるんだな!」



「だって、俺の部、ゴフっ!」



ミノがこっちに向く。



「テミンどした?みぞおち押さえて」



「慌てて食べるからだヨっ!っもう」



テミンが体を折り曲げたまま、また俺を睨んだ。



(仕方ないデショ!)



「テミンは中学生なの?」



「うん。中二」



弟はやけになってワッフルを食べている。



「へー。中二かあ。なあ、テミンの部屋ってどんな感じ?」



ワッフルを口に入れて、テミンが目を瞬かせる。オレンジジュースの入ったコップを弟に渡しながら、俺は動きを止めた。



「俺、テミンの部屋見たいな!自分が中二の時どんなんだったか懐かしいしさ!」



俺とテミンが首をひねる。



「あ、いや、それはちょっと……」



「うん、それはちょっと……」



口に入ったワッフルをジュースで飲み込みながら弟が頷く。



「えー、テミンの部屋見たいよ!」



「いや……もう見てるってゆーか……」



テミンがまた首を左右にひねりながら、言葉を濁す。



「お、俺の部屋とあんまり変わんないからっ!ミノ」



「そんなことないだろ。ちょっとでいいからさっ!中二の部屋見たいよ!お願いっ」



ミノがウィンクして、顔の前で両手を合わせる。



「え……あ……でも……あそう……」



俺とテミンがごにょごにょ言いながら、顔を見合わせた。



「これが中二の部屋なんだあ!」



ミノが爽やかな笑顔で歓声を上げた。



「ビジネス書ばっかりだなあ!」



(姉ちゃん!大丈夫かよ!)



(だって仕方ないデショ!)



「ビジネス書と……あれ?俺たちの高校の本もある。すごい量だな……」



本棚を見ていたミノが首を傾げながら、怪訝な顔をしている。



「こっちのファイル全部俺たちの高校の名前ついてるよ。あ、他の高校の名前のもあるな」



姉妹で固まった。



「こっ!高校マニアなんだっ!!!俺っ」



「ああ、なるほどね!」



ミノが微笑みながら、言ったテミンに納得したように頷いた。



(高校マニアってなんだよ!!)



(アンタが自分で言ったんデショ!!)



デスクの上を見て、ミノが足を止める。



「スナックのマッチも凄い量だな」



テミンが焦って叫んだ。



「こ、この年にもなると付き合いがあるからっ!!」



「なるほどねえ!結構かよってるなあ!」



ミノが感心しながら頷いた。





はあ。疲れた。テミンに後で謝っとかなきゃ。



「悪いな、持たせて」



プレゼントの山を抱えたミノがにこっと笑った。



「あ……いや、いいケド」



もう日が落ちて、近所からは夕飯の匂いがする。



プレゼントの山を持って、俺たちは歩いていた。



ふと、自分のポケットの中に入れてたのを思い出した。



ハンカチ……忘れてた。



返そう思ってたんだ。



アイツに。



「話聞いてる?シウォン」



ミノが白い街灯の下で、足を止める。



「あ、ゴメン」



「ここでいいって」



「あ……そう。持てる?」



「大丈夫。なあ、シウォン」



俺の持っていたプレゼントを渡しながら、ミノの顔を見る。



いつものにこにこした顔じゃなくて、真剣な顔シテル……



「俺に、隠し事……してない?」



「え……」



ミノの顔を唖然と見つめる。



な、なんでっ?



バレちゃったっ?



や、やっぱりこんなのダメだった?



ユノ先生のコトっ?それとも俺が本当は……男じゃ……それとも……どれっ??



「あ……あのっえっと……」



ヤダっ!シウォン、どうすればいいのっ!



「シウォン。じゃあ俺が言うよ」



ドキドキするっ!目瞑っちゃうっ!!



どうしようっ!誰かっ!シウォンを助けてっ!!



真顔のミノが、俺を見つめて言う。




「テミンって、本当は……女の子じゃないのか?」




俺は、




「ウウン、男だよ」




って、言って帰った。




「姉ちゃん、もう泣きやめよ」




ドアの向こうからテミンが言う。




「泣きたいのはこっちだって、姉ちゃん」








☆つづく☆

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