夢の続き

東方神起、SUPERJUNIOR、EXO、SHINeeなどのBL。
カテゴリーで読むと楽です。只今不思議期。

「DOKI☆DOKI☆らぶ♡12~音楽室にラナウェイ~」シウォン ユノ チャンミン キュヒョン ミノ ヒチョル

~~~~前回までのあらすじ~~~~
男子校に通っているシウォンはなんと女の子!『桃太郎』の稽古に「おばあさん役」のシム・チャンミンがやって来た!ついに役者は揃った!!☆☆「村人役」で大好きなユノ先生、「桃太郎役」で学園のアイドル、ミノ、「おじいさん役」で学級委員のライバル、キュヒョンも交えたシウォンのDOKI☆DOKI☆学園生活はどうなるのっ!?☆







「それでは、衣装は全部出来上がったので、今日は稽古をしながら必要な小道具を考えていきたいと思います。今のところ、流れてくる桃、背景の木、包丁と鬼のこん棒は全て作ることにしています。役になった人も手が空いたら、小道具作りを手伝いながら考えて下さい」



「めんどくせーな……全部本物買えよ」



シム・チャンミンがぶつぶつ言いながら、後ろ頭をかいた。



「それをすると、桃太郎が命を落とす可能性が出て来ます」



キュヒョンが眼鏡を触って答えた。



「どうせ刀は買うんだろ!」



「偽物を買います。真剣は使いません。シウォン君が本当に倒されてしまいます」



キュヒョンがまた眼鏡を触った。



シム・チャンミンが舌打ちをして、うざったそうにそっぽを向く。



みんなの机を前にやってできた空間の中で、俺とミノは教室の後ろでかがんで眺めた。



「とりあえず動きをつけながら、やって行きましょう。最初はおじいさんとおばあさんが二人で家の前にいるところからです」



キュヒョンがシム・チャンミンの隣に行った。



「山へしばかりに行くと言って、舞台からはけるおじいさんに、おばあさんが手を振った後、洗濯物を持って川に向かいます。舞台の前に出て洗う仕草をすることで、川へ行って洗濯をしていることを表現してみましょう」



「では、やってみて下さい」と、おじいさん役のキュヒョンが、窓際に向かおうとする。



シム・チャンミンが面倒くさげに手を振った。



「待って下さい。おばあさんは腰を曲げて下さい」



「何でだよ?」



アイツが苛立った顔をする。



「登場人物の中でおばあさんが一番大きくなってしまいます」



「ほら見ろよ!鬼よりデカいんじゃ話になんねーだろーが!」



「腰を曲げれば問題ありません。おばあさんは女性なので、おしとやかにお願いします」



「くっそ。分かったから次言えよ」



アイツが嫌そうに、その場にかがんで洗っているような仕草をした。



「洗濯板がいりますね。ではおばあさんが、川へ洗濯をしていところへ舞台の袖から桃が流れてきます。ミノ君が隠れる桃を作るので、みなさん頑張りましょう」



「桃くらい買えよ」



シム・チャンミンがうんざりと言い放つ。



「そうすると、桃を持った人が川で流されてくることになります」



「流されてるのを助けりゃいいだろ!!」



「それでは、おばあさんが一番鬼に勝つポテンシャルを見せてしまいます」



キュヒョンが呆れたように首を振った。



「じゃあ俺が戦いに行きゃいいだろ!!」



「桃太郎が主役です」



「桃太郎が俺の帰りをじいさんと家で待つ話にすりゃいいじゃねーか!」



「彼が何者なのか、分からなすぎます」




きーんこーんかーんこーんきーんこーんかーんこーん




「なかなか進まないな、稽古」



「そうだネ」



ミノと二人で音楽室から教室へ戻るところを呼び止められた。



「あっ、あのミノ先輩っ!」



顔を真っ赤にした、多分、一年生が立っていた。
赤いハートのシールで封をした白い封筒を、震えた手で握りしめている。



「じゃあ俺、先行くヨ」



ミノの顔も見ず廊下を歩き出した。



いつものことだし、ミノの靴箱には毎日何通も入っている。



俺は一通も貰った事ないのにっ。



シウォン女の子なのにっ。変なのっ!



あーあ。



シウォンなら、おしとやかなおばあさんだってできたのにナ。



やっぱりちょっと残念。



あれ?



あの後ろ姿っ!!



キュウウウウン♡



奇妙な構造の服を着たあの後ろ姿!



ユノ先生だっ!



誰かと話してる!俺も話しかけちゃうんダカラっ!



「すいません。照明まで」



あ!キュヒョン!



イイナっ!



「いや、最後だけしか出ないんだし、これぐらい問題ないから気にするな」



あ……



キュヒョンの



……頭撫でた。



「いやいや、それぐらいするだろ」



後ろから言われて振り向くと、シム・チャンミンが怪訝な顔をして立っていた。



「なんでショックな顔してんだよ。って……なに、お前」



「バイバイっ!」



目を丸くしたシム・チャンミンを押しのけて、こらえきれない涙を隠すように走った。



俺、ユノ先生に撫でられたコトなんてないモンっ!!



ユノ先生はきっとキュヒョンが好きなんだっ!!



「おい!!待てって!!」



何でアイツ追いかけて来るんだヨっ!!



「おいっ!待てっ!」



っもうっ!どうすればいいのっ!通り過ぎるみんなが振り返る。



「おいって!!」



アイツ足早いんだよっ!



「ヤダっ!!」



「ってめ!!」



突然腕を掴まれて、いつの間にか元来た音楽室の中で振り返る。



「なっ、ナンナンダヨっ!」



「お前馬鹿じゃねーの!」



俺は涙を手の甲で素早く拭いながら、怒鳴る。



「何でそんなコト言われなきゃなんないんダヨっ!」



「あんなの普通だろーが!!めんどくせーな!!」



シム・チャンミンも俺も肩で息をしている。



「ふっ、普通じゃないっ!」



頬を濡らしながら、言葉を繋いでいく。



「俺は、して貰ってないっ!」



口を開けて唖然としているヤツの前で俺は一層涙を流した。



大好きな、大好きな、ユノ先生。



でもシウォンの恋は、ずっと一方通行っ。



「見るなヨっ!」



涙は次から次に溢れて、女の子なのに、涙と鼻水で顔がぐちゃぐちゃダヨっ!



シム・チャンミンが面倒くさそうに視線を上にした。




その時っ☆☆




フワリ。



俺の頭の上に、手が乗せられる。



シム・チャンミンが、「な」と言ってこっちを見た。



「普通だろ?」



そう言って、たどたどしくその手を動かす。



ヒックっとしゃっくりを上げながら、俺は撫でられたまま、じっとその顔を見つめる。



大きな目が俺の顔を伺うように見た。






☆つづく☆

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