「DOKI☆DOKI☆らぶ♡13~涙にぬれたポケットティッシュ~」シウォン ユノ チャンミン キュヒョン ミノ ヒチョル
~~~~前回までのあらすじ~~~~
男子校に通っているシウォンはなんと女の子!大好きなユノ先生が、キュヒョンの頭を撫でるところを目撃しちゃった!?☆っもう、どうすればいいのっ!!こぼれる涙が止まらないシウォンを、シム・チャンミンが追いかけてきたっ!学園のアイドルで友人のミノもいるシウォンのDOKI☆DOKI☆学園生活はどうなるのっ!?☆
「でも、俺は……」
躊躇いながら言う顔を見て、俺は眉をひそめる。
「他のヤツにはしないけどな」
撫でていた手を下ろして、ぼそっと呟きながら、アイツが顔を背けた。
頬が赤く染まってる。
俺は一度鼻をすんと鳴らした。
「それ……どういう意味ダヨ?」
その時っ☆☆
小さくノックの音がして、俺とアイツは開けっ放しだった音楽室の入口を見る。
多分ずっとそこに立っていたミノが腕を組んだまま、ドアに軽く頭と肩だけもたれかけて、ノックしていた。
慌ててごしごしと俺は顔をこする。
「い、いつからいたんだヨっ!」
「途中。お前ら走ってるの噂になってたから」
にこっと笑うと、こっちに来て、ミノに体ごと向けた俺の顔を覗き込んだ。
「じゃ、俺行くわ」
呟いたアイツが、ドアに向かおうとする。
その腕をミノが掴んだ。
何も言わずシム・チャンミンが、掴んでいる手から、俺を見ているミノの顔を見る。
「何でこいつ泣いてんのか教えてよ?」
ミノは俺に向いたまま笑顔で言った。
眉間を寄せてアイツが腕を振り払う。
「そいつに聞けよ」
「お前も知ってるだろ?」
ミノが振り払ったヤツに振り向いた。
二人とも表情を変えず、お互いを見ている。
「お前……結構、力あんだな」
「そうでもないよ」
ミノが笑って答えた。
また少しその顔を眺めて、何も言わず後ろ頭をかきながら、アイツが出て行った。
「ミノ?」
「なあ、シウォン」
閉められたドアを見ていたミノに声をかけたら、声をかけられた。
こちらに向いて、ミノがポケットティッシュを取り出す。
「俺に言えないなら言わなくてもいいけどさ」
俺の目元に一枚取って持って来る。
優しく目の周りが拭かれた。
「俺のこともちょっとは構ってよ」
そう言って、微笑んだ。
「み、ミノ!」
ミノが手を止める。
「俺、ユノ先生が好きなんだ!」
上がっていた口角が下がって俺をじっと見つめる。
「それでちょっとショックなことがあったんだっ」
コイツはきっと、男が男を好きなことに、どうこう言うやつじゃない。
いや、俺女の子なんだけどっ。
ウウン、今それは良くて!
だからもっと早く言わなきゃいけなかったんだっ。
シウォンのお馬鹿さん!!
「この前……嘘ついてゴメン……恥ずかしかったんだ」
続けてそう言うと、ミノが視線を泳がせた。
俺はミノのそんな顔を見たことがなくて、胸がぎゅっと痛んだ。
でもっ☆☆
「そっか」
と、言ってまたその口角が上がった。
「う、うん」
ミノが黙って俺を見る。
それから小さく息を吐いて、
「まあ、シウォン恥ずかしがりやだしな。許してやる」
もう一枚取って、また優しく俺の顔を拭いた。
コイツはこういうところがある。
時々すごく、こういう風に俺を扱う。
ミノが俺を見つめて、俺もされるがままに、見つめていた。
拭き終わると、いつものようにまた、にこっと笑った。
「よし、行こうぜ。今日も稽古なんだから、鬼が泣いてちゃダメだろ」
何となく元気が出て来た。
「ん!」
きーんこーんかーんこーんきーんこーんかーんこーん
「シウォン。泣いてたって噂、本当だったんだ」
いつものように、空間を作るために机を前に寄せながら、キュヒョンが俺の隣で言った。
「うん……実は見ちゃった」
言った俺に、キュヒョンが素早く顔を向けた。
「ユノ先生がさ、キュヒョン……の」
「あ……」
キュヒョンが真っ赤になった。
「あ、あれで?」
「うん」
「……いや、俺も嬉しかったから分かるけど、それを言ったら、俺なんかシウォンにいっぱい泣くことあるよ?」
俺はちょっと目を大きくしてキュヒョンを見る。
「本当に?」
「当たり前だろ」
「お前ら分かりやす過ぎんだよ、もうちょっと隠せよな」
いきなり口を出したシム・チャンミンがキュヒョンの隣の机を運んだ。
俺とキュヒョンが顔を見合わせる。
「なに?何の話?」
ミノが俺の隣に来た。
「な、何でもない」
真っ赤になったキュヒョンが眼鏡を触りながら、体を後ろに向けて、みんなに言った。
「じゃあ今日の稽古を始めます!」
☆つづく☆