夢の続き

東方神起、SUPERJUNIOR、EXO、SHINeeなどのBL。
カテゴリーで読むと楽です。只今不思議期。

「DOKI☆DOKI☆らぶ♡最終回~アフタースクールはDO・KI・DO・KI~」シウォン ユノ チャンミン キュヒョン ミノ ヒチョル

~~~~前回までのあらすじ~~~~
男子校に通っているシウォンはなんと女の子!とうとう文化祭が終わっちゃった!☆喧嘩を止めるように言いに行ったのに何で番長がいないのっ!?「殺しのバンビ」のシム・チャンミン、「稲妻シンデレラ」のキム・ヒチョル、大好きなユノ先生、学園のアイドルで友人のミノ、学級委員でライバルのキュヒョンも交えたシウォンのDOKI☆DOKI☆学園生活はどうなるのっ!?☆これにて完結☆☆







お願いっ!間に合って!



「シウォン!!!」



後ろからキュヒョンも追いかけて来る。



夕日の差し込む教室と廊下、



チャイムの音と、始まった部活動の喧騒、



オレンジ色の校庭の中を、



駆け抜ける!



シウォンが早く言わなきゃいけなかったんだ!



シウォンの馬鹿馬鹿っ!!



シウォンの意気地なしっ!!



アイツらに助けてもらってばっかりで、俺は何もしなかった!!



夕焼けに照らされた土手を走って、走って、



走るンダ!



河川敷に、三人が見えた!



「だめーーー!!!」



俺の声に三人が振り向く。



土手を転がるように下りていく。ああん!学ランが草だらけだよっ!



「久しぶり、可愛い子ちゃん」



学ランの前を開いた稲妻シンデレラが、俺ににっこり笑った。



「やめて!!喧嘩はもうやめてっ!!!」



「うるせーな。しなきゃ終わんねーんだよ」



シム・チャンミンが首を回しながら言う。



「まだホームルームが残ってたのにっ!!」



「このアイドルに急かされた」



番長が顎で指す。



ミノが詰襟を開けながら、爽やかに笑う。



「俺たちの帰りの会です」



「どーでもいいから早くやろうぜ」



「わりーな、可愛い子ちゃん。そーゆーわけで下がってろよ」



そんなっ!!



「じゃ」と、言って、番長が腰を低くとった。



そしてっ☆☆



「いいぜ。どっからでもかかって来いよ」



手のひらを上にした片手をくいくいっと二人に曲げる。



「オッケー」



シム・チャンミンが呟きながら殴り掛かる。



にこにこを消したミノも、その体めがけて走り出した。



「いやーーー!!」



俺が間に入ろうとした。




その時っ☆☆




「待って下さいっっ!!!あれ見て下さいっ!!!」



と、後ろからキュヒョンの声がした。



土手の上で指をさすキュヒョンを、全員が静止して見たあと、姿勢を戻してその方に目を向ける。




するとっ☆☆




「よおよお、今度こそぶっつぶしてやれそうだよお」



な……なにあれ!



モヒカン頭のやつが土手から下りて来る。



その後ろから総勢80人はいそうなブレザー姿の制服集団が睨みをきかして下りて来た。



「俺の追っかけも大変だな」



シム・チャンミンがそいつらを眺めながら、学ランのボタンを片手で全部はずしていく。



「殺しのバンビに稲妻シンデレラも同時にやれるって噂聞いたからな」



モヒカン頭がへへっと親指で鼻をさすった。



「俺は不細工で可愛くないやつが嫌いなんだよ」



番長が顎を少し上げて、冷たい視線を送る。



「なっ!」



顔を赤くしてモヒカン男が声を上げた。



にやりと笑って、稲妻シンデレラがそいつに背を向けながら言う。



「予定変更。どっちが一番あいつらを多く倒すかだ」



「仕事増やしやがって」



殺しのバンビが舌打ちして学ランを脱ぎ捨てた。



番長が微笑む。



「アイドル君は可愛い子ちゃんと見学してていいぜ」



「まさか。冗談でしょう」



ミノも学ランのボタンを外し出す。



「み、ミノ!!シム・チャンミンも番長も相手が多すぎだよ!あんなの勝てっこないよ!!逃げようヨっ!!!」



シム・チャンミンが鼻で笑った。



番長がにっこり笑う。



「可愛い子ちゃん、そこにいたら怪我するぜ」



「大丈夫だよ、シウォン。心配するな」



ミノがにこっと笑いかける。



「だめっ!!!やめてっ!!」



俺はその間に駆け出した。



「シウォン!!危ないよ!!」



走って来たキュヒョンが背中から俺を羽交い絞めにする。



「キュヒョン!離せヨっ!」



「さ、やるか。課外授業だ」



番長が手首を振って歩いて行く。その後ろをシム・チャンミンとミノが続いた。



「やっとこの日が来たぜ!!それじゃ、野郎どもー!」



モヒカン男が声を張り上げる。



「かかれっ!!」という掛け声と同時に、全員一斉に走り出した。乱闘が始まる!



「だめえ!!やめてーーーー!」



涙が出て来た俺の声が夕暮れ時の河川敷にむなしく響き渡る。



「シウォン!番長たち本当に強いから!」



キュヒョンが背中で叫ぶ。



そんな!



見ると、番長とアイツが次から次に倒していく。



「くたばれっ!!シンデレラっ!!」



デカいやつが番長の背後から棒を振り上げた。



それをシム・チャンミンが受け止めて倒した。



「なかなかやるじゃん」



番長とアイツが背中合わせになる。



「お前もな」



にやっと笑いながらアイツが答える。



「バンビ鍋にしてやる!!」



ナイフを取り出した奴が現れた!



「きゃあああ」



俺が悲鳴を上げる。



そいつに学ランがかぶさった。



前が見えなくなったヤツに背後から組んだ拳が振り下ろされる。



ミノが姿を見せた。



シム・チャンミンがふっと笑って、ミノも笑った。



乱闘は続く。番長が、モヒカン頭に立ち向かっていく。



そこにっ☆☆



「おーい、お前の相手は俺だぜ」



土手から物凄い美青年が前髪を横に流しながら現れた!



「確かに、お前だ」



番長が拳を突き出しながら駆ける。



「あ、あいつっ!強いヨっ!!」



あんな顔して相当デキる!!!



舌打ちして、シム・チャンミンが加勢に入ろうとする。



「来んな!!これ位なんでもねえんだよ!そっちの雑魚やれ!!」



そう言って、番長が美青年の顔に一撃叩き込む。



歯が抜けた美青年が倒れた。



「くっそっ!キリがねえぜっ!」



切れた口元から出た血を拭いながらアイツが言う。



「でもやるしかねーんだよ!!」



番長が応戦しながら答える。



長い闘いが繰り広げられて、気付けば立ってる人の方が少なくなった!



モヒカン頭がアイツに向かって歩いて来た。



「よおよお、決着つける時が来たなあ、シム・チャンミン!!」



「おめーが知らねえだけで、何回もついてんだぜ」



後ろ髪をワサワサ掻きながら、面倒くさげにアイツが歩く。



「お前のクラス『桃太郎』なんかやったんだってな!」



「はっ。まあな」



シム・チャンミンが息を出して笑った。



「桃太郎なんかなあっ!!ナウくねえんだよっ!!!」



モヒカン頭が走り出した。



「当たりめえだろーがよ!!」



シム・チャンミンも走る。



「くたばれ!!殺しのバンビ!」



「聞き飽きたぜっ!!!」



俺は両手で口を塞いで息を止めた。



夕日に逆光になった二人の黒い影が、お互いの顔に最後の一発をお見舞いする。



俺たちは見ていた。



少しの間、頬に拳がねじ込まれたまま、動かない。



そしてっ☆☆



ゆっくり、膝から一人が崩れ落ちる。



踵を返した……



アイツがこちらに向かって、痛そうな手の甲を回しながら歩いて来る。



ほっ、と安堵の溜息をついて、キュヒョンと顔を見合わせた。



「お前ら勝手にやられてんじゃねーぞ」



草と傷だらけでこっちに向かって声を張る。



「んなわけねーだろ」



番長が答えた。



もう立ち上がってる敵はいなかった。



「あーあ」



俺の前に来て後ろ髪をワサワサと掻いた。



「だ、だいじょ」



声をかけようとしたらアイツが苦笑しながら言った。



「くっそ。あんな女みたいなヤツに負けた」



番長が何も言わず、にやにやしながら歩いて来る。



「お疲れさん」



「なあ、バター犬」



そう言って視線を落としたまま、アイツが言う。



「俺、お前が好きだわ」



その顔を上げて俺を見た。



驚いて、息が止まった。大きな目と見つめ合う。



「勝てなくてわりー、あいつの方が俺より倒してる。でもこれから二回戦するわ」



「え……そ、そんな」



何もかもが衝撃で頭が回らないよ!



傷だらけのアイツを見ながら俺は口をぱくぱく動かしちゃう。



そんなに、はっきり言われるなんて!



「その必要はねーよ」



歩いて来た番長が口元に笑みを浮かべたまま吐き捨てる。番長も口が切れてる。



眉をひそめて俺たちは見た。



「世代交代だ」



そう言って、後ろを振り返った。



「来いよっ!番長!!」



倒れてる不良たちの中で、肩で息をして突っ立っていたミノが呼ばれてこちらを見た。



「ミノ……」



ウソ……



呼吸を整えながら、こちらに歩いて来る。



俺の目の前で、立ち止まった。



「ほらな。大丈夫だったろ?」



そう言って切れた口で、にこっと笑った。



「うっ」



ワアアンっと俺は声を出して泣いた。



周りが唖然として俺を見る。



でも涙は止まらない。



「ミノ、ミノ」



コイツは……ずっと隠してたんだ。



俺のことが好きだったことも。



喧嘩が本当は強かったことも。



こうやって、俺のことをずっと守ってきたんだ。



「ミノっ、ミノっ」



「泣くなよ、シウォン。俺はお前の喜んでる顔が好きだよ」



「で、可愛い子ちゃんはコイツを選ぶの?」



番長が顎に手を置いて俺たちを眺めながら言う。



シム・チャンミンが、「まあ、仕方ねえ」と後ろ髪をかいた。



俺は、俺は……



ミノを見た。



ミノは分かってるように微笑んでる。



そう。コイツは誰よりも大切な俺の……



「ごめん……ミノ」



友達、なんだ。



「いいよ」



そう言って小さく息を吐いてまた微笑んだ。




そこにっ☆☆




「お、お前らああああ!!!!」



いつの間にか、倒れていた奴らはいなくなって、土手の向こうから、変わったデザインの派手なシャツを着た人が走って来るのが見えた。



「村人の恰好させて来いよ」



呆れたようにシンデレラが言い放った。



「見ててっ!!」



俺はみんなに言って、土手を駆け上がる。



「おい、シウォン!」



ミノとキュヒョンが声をかけてきたけど、俺は駆けあがった。



意気地なし!



泣き虫シウォンさんっ!



これじゃあダメっ!!



振り向いてもらえないのは当たり前なんだっ!



だって俺!自分から何もして来なかった!ただただ夢見てたんだっ!



でももうそれは終わりっ!



みんなあんなに勇気を見せてくれた!俺だって頑張れるヨっ!



「ユノ先生ーー!!」



夕日を背に走って来る先生に、口元に開いた両手を添えて、大きく聞こえるように声を出す。



「シウォンーーーー!!!お前らホームルーム何だと思ってんだーーー!!自由の意味をはき違えてるぞぉーーー!!」



「聞いて!ユノ先生ーー!!俺、先生が好きーーーー!!!」



みんなが目を丸くして俺を見ているのが分かる。



ユノ先生も目を瞬かせながら、走っていた足を徐々に止めて、歩きながら俺の元へ来た。



「先生っ!!俺、先生が好きっ!出会った時からっ!!」



草まみれの学ラン姿で、俺はぎゅっと手を握って、振り絞る。



「シウォン……」



先生が、目の前に来た。



「先生が、好きなんですっ!」



自分の頭に手を置いて、ユノ先生が絶句してる。



「あー……シウォン。気持ちは嬉しいんだけどな」



俺は次の言葉が予想できて、ぎゅっとまた拳を握った。



やっぱり!



でも傷つくことなんて分かってたジャンっ!いいんだヨ!



「俺は先生で、お前は生徒だ。それは難しいんだよ」



地面には先生と俺の、のびた影が二つ、それを見つめて俺はまだくじけない。



「じゃあ俺が卒業したら……?」



「……それも難しいかもな」



「なんでですか!」



顔を上げると眉を八の字にして困っている先生がいた。



「……これはまだ言うつもりなかったんだけど、俺、海外に転勤になるんだよ」



な、な、な……



「教師も海外に転勤になるもんなんですかっ!?」



シウォン、今まで聞いたことないヨっ!



「うーん、なぜか急に海外に行くことになったんだよ」



なぜっ!?



なぜ人は急に海外に転勤になるのっ!?



「でも……でも!それでもいいっ!」



ユノ先生の目がまた丸くなる。



「それでも好き!」



そうだよ!海の向こうだっていいジャン!シウォン頑張るんだからっ!



「でもなあ」



また先生は頭に手を置いた。



なに!次はなに!?



「俺……今まで男と付き合った事ないんだよ……」



ユノ先生が困ったように笑った。



「あ……」



土手の下から、みんなが見守ってる。



俺は、固まった。



こめかみを先生が長い指でかいている。



シウォンの心臓がDOKI☆DOKI☆してる。



じゃあ、大丈夫だネ!



シウォン……



本当は……



女の子だから……!



土手の下のみんなが俺を見ている。



「俺は……」



言いながらユノ先生を見た。



「俺は……男……だけど!先生に振り向いてもらえるように頑張りマス!」



そう、でもそれはナイショっ!



アイツらは男の子の俺でも好きになったよ。



女の子だから好きになってもらえていいと思わない。



だってそれはきっとナイから!



男の子の俺で振られるんなら、きっとユノ先生は女の子の俺も振っちゃうよ!!



だからシウォンのナイショはナイショのまま!



この学園で学んだこと。



それは、誰にでも愛の可能性はある。



誰かが誰かを好きになる可能性は、条件さえ揃えば、きっと無限大なんだ!



俺は、もうそれを知ってる!



「うん。分かった、シウォン」



ユノ先生がクスッと笑って頷いた。



「はい!」



俺も笑った。



それに、この学園にいたいもん!



この俺のままで、みんなと一緒に、俺はこの学園にいたいよ!



「よーし!じゃあ、お前ら、ラーメンでも食いに行くか!」



「え、先生!?」



俺と、下にいるキュヒョンの声が重なった。



「喧嘩とかどうでもいいのかよ?」



キム・ヒチョルの声が聞こえる。



「口切れてラーメンねえだろ」



アイツがワサワサと後ろ髪をかいてるのが見える。



「シウォン!俺は行くよ!」



爽やかな悪友が顔を上げた。



「よーし!!お前らーー!走れーーーー!!」



ユノ先生が笑って走り出した。



「はあ?こっちは体がボロボロなんだよ!」



シム・チャンミンの愚痴が聞こえる。



ああん!俺ももうくたくた!



「ユノ先生っ!待ってえ!」



でも、シウォンのたった一人の王子さま!



あなたが好きーー!



「シウォン待ってよ!」



キュヒョンも眼鏡を触って走って来た。



「くっそ、なんなんだよ!」



アイツも土手を上がり始めた。



「そう言って、お前も食うんだろ」



鼻で笑いながら、稲妻シンデレラが追い越してる。



「先生結構足はえーな」



いつの間にか隣にいた悪友がにこっと笑った。



夕日が沈んでいく道を、俺は友達と一生懸命走るンダ。



「あの夕日に向かって走れーーーーー!!」



「先生っ!!待って!!胸がドキドキしちゃう!!」



「シウォン!!待って!!」



「あの、俺、番長とか嫌なんですけど」



「じゃあ明日俺とタイマンして負けたらいいぜ」



「もー、だりーんだよっ!こっちの都合も考えろよ!!」







そう。






これがシウォンの……ドキドキ……







――LOVE☆











『DOKI☆DOKI☆らぶ♡』☆E・N・D☆






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