夢の続き

東方神起、SUPERJUNIOR、EXO、SHINeeなどのBL。
カテゴリーで読むと楽です。只今不思議期。

「Mi envulti vin en tiu profanda forsto.3」ユノ×チャンミン


息ができない。




恐怖に押しつぶされて身動きが取れない。





光がない。





でも、手に持ったノートの感覚で、現実にいるのだと分かる。




眼に異変が起きたのかもしれない。





本当の暗闇だ。





自分の音だけが聞こえる。




心臓が波打っている。




けれど、打つなと思う。




何も音を立てたくなかった。




こんな場所で、包まれたら。




闇に、包まれたら、




信じはしていない、この世のものではない何かだって、信じてしまう。




音を聞かれたくない。




ここにいることを、気付かれたくない。




肺からの呼吸音さえ煩わしい。




それになぜか外界の音も全く聞こえなくなった。




鳥の声、




雨でもどこかに溜まっているのか、水の滴る音、




何かが割れる、




今も尚、風化が進行している音を。




あんなに音がしないと思っていたけれど、



そんなことはなかった。




でも今、それらが一切しない。




けど、自分からの音は聞こえる。




聴覚は失われていない。




ここまでの道順を思い浮かべた。




それは覚えている。




しかし、この真の暗闇の中で、




ここから、四つ下の階に戻るのか。




でも、しなければいけない。




ここから、抜け出さなければ。




息をした。



身体が震えて思うように動かない。



心臓が胸を叩きつける。



脂汗で全身が湿っている。




滑る手で、手に持っていたものを置いた。




持っていたくはなかった。




けれど動こうとした時。




自分の真後ろから、




声がした。




「誰かいるの?」




肺が縮小されたように、息が止まった。




そんなはずはなかったから。




この部屋には誰も、自分の後ろには誰も、いなかったはずだから。




でもその声をもう一度脳内で再生して、




信じられないけれどその声が、




今まで、自分が探していた人のものだと分かって、




返事をした。




「……はい」




やはり、耳は聞こえている。




「……シム・チャンミン?」




「はい」




その瞬間。




闇に淡い光が発光した。




そうだ、携帯電話。




そんなことも思いつかなかったほど、慌てていた。




でも、完全に自分の眼のせいだと思っていたから。



だってそうじゃないと、おかしい。




けれど、その青白い光は消える。



その光に照らされた、持ち主の顔を僕の目に残して。




つまり、視覚も、異常はない。




「チョン・ユノ……君?」




「呼び捨てでいいって」




暗闇の中で微かに笑った声が聞こえた。




「本当に、チャンミンなの?」




「……うん」




見えていないことは分かっているけれど、頷いた。




全く、理解できなかった。



探していた男を見つけた喜びなんかよりも、




この、



突然に訪れた光のない世界と、




誰もいなかったはずの空間に、突如現れた相手のおかしさが、




何よりも勝って、




頭の中も、




闇に包まれていくような気がした。








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