夢の続き

東方神起、SUPERJUNIOR、EXO、SHINeeなどのBL。
カテゴリーで読むと楽です。只今不思議期。

「チャンミンくんの恋人45」ユノ×チャンミン


良く分からなかった。


あの……ユノが小さくなった日よりも、今の方が、ずっと現実感がないんだ。



拡大した相方を眺めて、何も言えない。
でも、何か言わないと。
ユノが俺を見つめる。
心の中まで覗いて来ようとする、あの小さなユノの目と同じだ。


「マネージャーには?」


それから逃げるように声を出した。


こちらを見たまま、


「会ったよ。事務所に報告に行ってる」


と、空気を変えるように微笑まれた。


「そう……ですか」


「帰ったら、俺だけ先に病院行くみたいだから、その前に朝飯食わない?」


にこっとするユノの笑顔。大きくなるとこういう感じなのか、なんて、可笑しなことを思った。


そうだよ。こっちが日常なんだ。


俺も気を取り直すように微笑む。



「でも、良かったですね、本当に」



まだ自然に上向きにならない口角を感じつつも、立ち上がりながら、


デスクチェアーを引いた。



自分の行動に固まる。



同じく立ち上がりかけたユノも動きを止めて、俺を凝視したのが分かる。



「あ、なにやってんだ俺」



笑いながら、デスクチェアーを戻した。


これはもう必要ないんだよ。
これに乗せて移動させていた人間はもうデスクの上にはいないだろ。
立つと、向かい合った。


ずっと目の焦点が合っていないような感じがする。


ユノは何か言いたそうに俺を見ている。


その身長を眺めた。


俺と変わらないほど、ユノは背が高いんだな。今更思った。



「……じゃあ、行きましょうか……」



ヒョン、と言うとユノが少し目を見開く。


それから、「ああ」と言って、視線を泳がせた。


前からも色んな呼び名を使っていたし、
一か月前までは本国の習慣的にこれが一番慣れた呼び方だったんだから、すぐ慣れるはずだ。



だから驚く方が可笑しいんだって。
ユノだって思ってる。




ダイニングテーブルの上にマネージャーが朝食を用意していた。



沢山の惣菜とご飯類も置いてあった。



でも、あの小さなツリーがなくなっていて、どこに行ったんだろうと眺めた。



「食べよう」



意識を持って行かれそうになって、後ろからユノに声をかけられる。


「あ、はい。おかずレンジで温めようかな」


「いいね。チャンミンもジュース飲む?」


「俺、珈琲入れます」


準備が整って、俺の向かい側にユノの箸とスプーンを置いた。



「じゃあ、食べますか」



ユノに言うと、テーブルを見て突っ立っている。



「どうしたんですか?具合悪いの?」



「いや、そんなことないよ。食べよう」



ユノと向かい合って食べる。
何となく感慨深そうにユノがテーブルの上の料理を見ていた。
俺は沢山の皿に盛られたおかずの、なぜかその皿の間に目が行く。
でもそこには何もない。
だけど、顔を上げると、ユノがいる。



「これ美味しいな、チャンミン」



焦点が……



「……野菜も食べないと」



ユノは、やっぱり少しすっきりしている。昨日はかなり食べたと思うけど、この一か月の節制は大分体に表れている。


「チャンミン食えよ」


「食べてますよ」


それから、「ヒョン」とまた呼んだ。


ユノが箸を持ったまま、何も言わずこちらに目を向ける。


これについては何も言えないようだった。


「やっぱり肌綺麗になりましたね」


「そうか?まあ隠れれば別にいいんだけど」


言いながら、頬を染めて照れている。


「じゃあ次は肌だけCGにしますか」


「酷いって」


ユノが笑うのを見ながら、まだ自分は笑えていない気がする。けどユノは、笑っている。



だから、俺が可笑しいんだ。




でも俺だってきっとすぐに慣れる。













つづく

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