「PLAY13」ユノ×チャンミン
拍子抜けして、思わず振り返る。
チャンミンは振り返ることもなく歩いていく。
飲んでいるように見えて、あんまり酔ってなかったんだろうか。まあこれからもしないで欲しいけど。
アレは心臓に悪いから。
「何ですか?」
チャンミンが怪訝な顔で俺を見た。
「俺の顔になんかついてますか?」
ツアーの間に並行して行うプロモーション活動で、久しぶりのテレビ番組の収録中。
スタジオのモニター前で、待機していたら、言われた。
この頃一段とチャンミンが大人っぽくなった気がしてる。
俺に絡んでこないと言うか、接触してこないと言うか。
でも最近、また携帯電話のゲームをやり始めたみたいだ。
そんなことで嬉しくなっている俺はどうかしているのかもしれない。
難しいとか言ってたのに。
「俺そんなに見てた?」
俺は考えながら笑っていた。
「ヒョンは昔からそういうとこありますね」
「そう?知らなかったな」
てか、どういうとこだろう。
俺が笑っているのを見て、チャンミンも仕方ないなと言う風に笑う。
まるでチャンミンの方が俺を良く知っているみたいで面白いな。
こうやって、自分の知らない自分だっているのに。俺の知らないチャンミンがいてもおかしくない。それぞれの人生があって、成長があって、そういうものなんだろう。
自分達はほぼ人生の半分を一緒に過ごしている。
時々、一心同体のような気がしていたけれど、でもそうじゃない。
チャンミンは他人だ。
多分、世界で一番一緒にいる俺の他人だ。
けど、
それが何となく、
今俺を悩ませている。
つづく