ミノ子の憂鬱10 ユノ×ミノ
こんな夜中まで考えてた。
ユノ課長とのきっかけ。
難しいのよ。
私、才能ないんだわ。
今日、受付の子休んでた。
思わずもう一人の受付の子に聞いちゃったわ。
体調不良ねえ。
夏バテかしら。
課長は元気そうだったから、課長絡みな感じはしなかった。
って私振り回され過ぎよ!
もういいの。
リアルはいい。
リアルはもううんざり!
楽しい話の世界に浸るのよ。
きっかけなんて何でもいいわ。
入社式の日に窓から入って来たスズメバチを私が追い払った事にしましょう。
ん?これいいんじゃない?
何よ、こんなに簡単に出て来るなんて、ふふ。
その時、壇上に上がってたユノ課長が私を見てたのよ。
それがきっかけ。
課のみんなからも一目置かれるようになって、
何かモテちゃうの、私。
ダメ。
そういうありがちなモテ設定は、尻軽に見られて終わりよ。
私はそんな女じゃない。
好きでもない男に口説かれて、
なぜか襲われそうになったところにユノ課長が来るなんて絶対ダメ。
ユノ課長そんな女嫌いよ。
口説かれたらおしまい。
そうね。
一目置かれるだけでいいでしょ。
それでユノ課長に初出勤の日、
ロビーですれ違って声かけられるの。
「君、スズメバチ追い払った子でしょ?」って。
ん?
こんなものかしら。
ちょっとロマンチックに欠ける気がするわ。
まあ、いいでしょ。
って何この時間!
早く寝ないと、明日起きられないわ!
ま、金曜日だから一日くらい寝なくてもいっか。
ふふ。
つづく