夢の続き

東方神起、SUPERJUNIOR、EXO、SHINeeなどのBL。
カテゴリーで読むと楽です。只今不思議期。

「少し暗い日々の帳を抜けて 最終回」ユノの短編 ウニョク キュヒョン ヒチョル


「ああ、悪い。食ってて。俺、今から捕まえに行くポケモンがいるんだ」



俺は後ろ頭に手をやる。



「へえ」
 


ヒチョルが面白そうな顔をして、続けて呟いた。



「マスターっぽくなってきたな」



「なに?どんなポケモン?」


 
ウニョクが興味津々で聞いて来る。



「んー……」



考える俺を三匹が見つめてくる。



「誰にも捕まえられないポケモン、かな?」
 


と、言って俺はちょっと笑った。



「じゃあ、ダメだろ」
 


ヒチョルが言うと、ウニョクが俺を諭した。



「ユノ、あと三匹はゲットしないとリーグ出れないんだからな」



「……頑張ります」



「まあいいや。何かあれば連絡しろ。行ってやる」
 


笑ったヒチョルがカイリューの肩をぽんと叩いて、駐車場からみんな出る。
三匹と別れて、俺は電車に乗った。
席が埋まっていて、入口近くに立つ。


目に映るのは今日も各々の毎日を生きている人達と、
その人達が灯した数え切れないほどの明かりだ。
こんなに人で溢れているんだから、
比べない人生なんて誰にも送れない。
影響も葛藤もない毎日なんてきっと存在しない。



それにもし、この人達がいなくなったとしても、



独りになんかなることはできない。




この世界のどこにいたって存在する沢山のポケモンが、



きっとまた俺を悩ませて、変えて行く。





半年後、八個のジムバッジを獲得して、ダンスポケモンのウニョク、おたくポケモンのヒチョル、ドラゴンポケモンのカイリュー、新しく仲間になった、れいとうポケモンのフリーザー、もんだいじポケモンのカンインと一緒に俺はポケモンリーグに進出することになった。
 



……そして、あの時ゲットしたポケモンも。




電車が夜の帳を抜けていく。



目的の駅に着いて向かった。
時間はあの休憩時間丁度だった。
誰にも捕まえられないと言ったって、そうでないことだってある。
その時はあいつの幸せを願おう。


夜空を見上げるとでんげきポケモンがいるらしくて、小さな雷光がぴかぴかと光っている。


足を進めながらも、もしいなかったらと思うと、胸が痛んだ。ポケモンとの出会いも一期一会なんだと気づく。


それに捕まえられてないとしても俺は見つけられるんだろうか。



でも、



懐かしい自動販売機の前で、面白くなさそうな顔で地面を見てしゃがみ込んでいる姿に足を止めた。



ゆっくり近づく。


ポケモンは、驚かせて逃げられることもあるから。


それからその隣に立った。俺に気付いて顔を上げる。
財布を取り出す。



「何にする?」



見下ろすと、大きな瞳でじっと見上げられた。



「同じので、いいです」



俺は微笑んで、ボタンを押した。




どこかで、むしポケモンが鳴いている声がした。









『少し暗い日々の帳を抜けて』おわり

×

非ログインユーザーとして返信する