ミノ子の憂鬱16 ユノ×ミノ
「ミノ子さん!カルビも食べて下さい!どうぞ!」
「はあ」
最強チャ美とス保、全然気にしてないみたいだけど。
あっちのヒチョ男さんが目当てなの?
ウニョ代は?
ん?あの子何食べてるの?
ちょっと!あの子グラタン食べてるわ!
この焼肉屋グラタンがあるの?
メニュー見てみましょう。
……あるわね。
この店、グラタンがある。
「ミノ子さん!ミノも焼けましたよ!ミノ彦からミノをミノ子さんにあげます!」
チャ美とス保が反応したわ!
確かに、この人あからさまに私を特別扱いしてる感じあるもの!
でも私、全然興味ないから!
「私……お茶貰おうかな……チャ美がお茶を貰うわ……」
「私は、ス……ス……」
そこじゃないでしょ!
何で対抗してんの!
「あはは、素敵だなあ。さすが、有名な二人に声かけて良かったよ!ヒチョ男、こんなに女の子に笑ったの初めてだよ。君たちに彼氏がいないなんて信じられないな」
あの人自分のこと名前で呼んでるわ。
私の知らない世界がここにある。
「あー、今日は会社経営してる親父に頼んで運転手付きの車で来て良かったなあ。ヒチョ男もあと十年したら親父の会社継ぐんだけど、そんなヒチョ男が今日乗せて帰りたい子ができたよ」
ちょっと頭のネジが緩くなってるみたい。
最近のドラマみたいな説明口調ね。
え……でも、
どっかの社長の息子ってことなら、
ウニョ代、こんな人どうなの?
ねえ、ウニョ……
ちょっと!この店ハンバーガーもあるの!?
ああ、でも、心なしかみんなに緊張が走ってる。
これは女の闘いなのね……
「じゃあ、言っちゃおうかな?ヒチョ男が連れて帰りたい子は……」
「その子は……!」
つづく