夢の続き

東方神起、SUPERJUNIOR、EXO、SHINeeなどのBL。
カテゴリーで読むと楽です。只今不思議期。

「鶯 3」ユノ×キュヒョン

もやもやとしたまま、ベッドに入っても一向に眠れなくて、ああ、でもそう言えばまだ時間は早いし、と思っていたら、いつの間にか寝ていた。



次の日、俺とチャンミンと、あいつのグループは仲が良いもんだから大体が一緒にいて、だから気が付くと視界に入れてしまっている自分がいた。
でもそれはどうやらお互い様で、目が合っては、そらせずにいて、とても困った。心臓は鳴りやまないし。それはライブが始まってからもそうで、本当に困った。
あんなキスだけで、俺は何を考えているんだ。
別のグループのライブ中、偶然二人きりで廊下ですれ違いかけた。



「あのさ」



キュヒョンが何も言わず頷いて立ち止まった。
気付けば自分達は見つめ合っている。


「あの、聞きたいんだけど、それってウグイスのせい?」


そらしたいのに、そらせないのはここでもだった。


「分かりません」


キュヒョンも栗色の前髪のかかる眉を下げていて俺の質問を瞬時に理解した。昨日からの一連の行動も、これだけ、お互い目で追っていることも尋常じゃないとちゃんと認識しているらしい。


「今鳴いてる?」


「いますけど、鳴いてません」


俺を見る顔はどうも嘘をついているように見えない。
それよりも見つめ合うと、勝手に体が近づく。


「ウグイスと何か喋ってるの?」


「色々、今は黙ってます」


「今日も来る?」


まるで逢引だ。
数度また頷いたキュヒョンとすれ違いざまに、触れ合った指先を、絡ませてしまって、しかも離しにくくてそれも参った。
それからもだめだと思いながらも、目で追って、いつもなら気にもかけないキュヒョンのステージさえ意識して耳をすませて、ライブが終わって打ち上げ中も離れて座ったにも関わらず、目が追って、でも同じだけ、あいつも俺を見ていた。
ホテルに帰ってシャワーを終えて、ソファーで携帯電話を見る。
久し振りにキュヒョンとメッセージなんかした。
『あと30分後に行きます』
と来てから、そろそろだった。
本当に時間ぴったりにノックの音がした。
鼓動がやばい。
落ちつかせようと、はあっと息を吐いてから、相手は男なんだぞ、冷静になれ、と言い聞かせて、ドアを開けた。
半袖のパーカーとストレッチパンツのキュヒョンが昨日と同じように立っている。
俺を見ると、大きな瞳が俺に固定されて、熱っぽくとどまった。
言い聞かせたのも忘れて顔を近づけそうになって、ドアも開けたまま何考えてんだ、と自分を疑う。


「入って」


閉めながら、昨日と同じシャンプーと香水の匂いに、すぐさま体がざわめくのを感じた。
まだ一歩入っただけにも関わらず俺の体に近づくとキュヒョンが動かなくなる。オートロックのかかる音がする。俺もなぜかドアノブを掴んだまま、横にいるキュヒョンと見つめ合っている。
キュヒョンの手が伸びて、白くて長い指だなと思ったのがドアノブを持っていた俺の手のすぐ上、バスローブの袖を握り締めた。顔を伺うと、俯いて掴んだ袖口を見ている。


「キスしていい?」


キュヒョンが俯いたまま、分かっていたように頷く。
その顔がこちらに向くのと同時に唇を押し当てる。
白い手が肩に回されて握り締められた。軽い痛みを覚えながらも啄んでいく。顔を少し離すと、ゆっくり瞬く顔が何で離されたのか分からないようにぼうっとした。


「ウグイスは?まだいる?」


頷いて、顔を近づけられる。


「ちゃんと言って」


俺も近づけそうになりながら留めた。興奮した息がかかる。視線が俺の唇に注がれる。


「います。出ていってくれません」


「だからそうなってるの?」


「だから分かりません」


「舌入れていい?」


言うとすぐ口づけられて舌を入れられた。これがキュヒョンの舌か、とまたいらない感想を抱いたけど、可笑しいほど興奮していた。絡めると、吐息を漏らされる。
多分身体に力が入らなくなって、自分の肩を掴んでいた手が、縋りつくように体重をかけてきた。


「キュヒョン、ベッド行っていい?キス以上しないから」


俺も顔を上気させながら額をつけて話すと、抱きつかれる。お互いの馬鹿みたい鼓動が伝わる。
そのまま抱え上げた。
少し驚いているのも構わず、ベッドに下ろす。スニーカーを脱がせて、その身体を抱きしめる。
もう女を抱くように本気で俺は覆い被さってキスをしていた。キュヒョンにも背中に手を回されて抱き締められて、さっき抱えた重みも、厚みも、自分がキスし続ける相手には到底思えないのに、このままだとキス以上に、どうにかなりたくなっている。これはきっと俺にも鶯の何かがかかっているんだろう。
相手をもう一度確認したくて、腕に抱いたまま見下ろした。唇が擦れて赤くなったキュヒョンが見つめている。やっぱり俺はこの男に興奮してる。


「キュヒョン、声良いな。聞いてたよ」


乱れた息で、その声も出された。


「ユノさんもダンス男前でしたよ。知ってましたけど」


耐えられず、一度口付ける。抱き締められた手に力が込められた。


「なあ、これどうなるの?」


俺も熱っぽく見下ろして、また深く重ねようとしたら、声を出された。




「ユノさん、今驚くことが起きました」












つづく

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