ミノ子の憂鬱22 ユノ×ミノ
フルコースの料理を食べてる私達。
でもユノ課長の手が止まってるの。
「あの、どうしたんですか?」
って、言ったら。
「ごめん、見とれてた」
って……
恥じらう私は、話を逸らすように、
「このワイン美味しいですね」
って、言うと。
「どう美味しいか教えて?」
じっと見つめながら言われて、
「そうですね……何て言うのかな」
ほんのり染めた頬で私が答えるの。
「少し甘いけど、軽い感じじゃなくて、濃厚な重さがあるっていうか、でもスパイシーじゃないんです、もっと熟成が強いって言うか……あ、上手く言えないんですけど……シャトーで作られてるな……って思いました」
たどたどしく言うと、
クスッ。
って、ユノ課長が笑うの。
「じゃあ、」
君のイメージぴったりだね。
って。
それから、デザートが来る頃には見つめ合ってて、
「ねえ、また誘っていい?」
うっとりした顔で私に……
そして、
「はい」
って、恥じらう私。
……私?
これ私?
私が思ってる私ってこんなんだっけ?
こんなワイン語りする女が蜂追い払うかしら……
大体、スズメバチの女にこのワイン合ってるの?
これどんなイメージなの?
……いい。合ってる。
もう合ってることにしましょう。
そうしないと、いつまでもミノ子とユノ課長のラブストーリーにならないわ。
って、
朝よ……
つづく