「PLAY14」ユノ×チャンミン
目蓋を少し開けてみた。
すると視界に大きく入った手が痙攣したように一度動いてそのまま消えて行こうとする。
それを追いかけるように、眺めると、チャンミンの顔があった。
俺の顔の方向に合わせて首を傾げて覗き込んでいる。
「飲みすぎです、ヒョン」
ツアー中の少ない休日。チャンミンは日本でできた友人と会う用事があったらしくて、今日の晩餐会というか飲み会に遅れて来た。
その間に俺はどうやらこの状態になったらしい。
チャンミンは笑うこともなく、呆れたように俺を見ていた。
水のペットボトルをつきだされる。
それを受け取りながら、起き上がった。
一瞬、自分がどこにいるのか分からなかった。
高層ビルの中にいるのは俺の隣の窓から見える夜景で分かったけど。
探すために着て来たのか、黒いコート姿のチャンミンが窓枠に腰掛ける。
冷たい水を飲みながら、頭が少しだけ冴えて来る。
酔い覚ましに、俺はこんなところに来たのか。
飲み会の会場とは階も違うのは景色で分かる。
この階はオフィスが入っているのか、もう廊下の照明も落とされて、非常口の明かりが向こうの突き当たりに見えた。俺が座っているソファーはその廊下の反対の突き当たりにある。
休憩スペースのようで、自動販売機が目の前にあった。
つづく