ミノ子の憂鬱23 ユノ×ミノ
「キャっ」
歩きながら寝てたわ。
朝っぱらからロビーで転んで何やってんのよ。
顔面からいかなくて済んだけど、ユノ課長いなくて良かった。
って、いないわよね?
「おはようございます。財布です」
あ、ス保。
「あ、ありがとう」
昨日のミノ彦さんに引き続き……同じ社内なんだから仕方ないけど。
しかもまた拾わせちゃったわ。
「シャトーって。あなたいい加減にしなさいよ」
「ちょっと!何読んでるのっ!」
最強チャ美!
「朝から笑わせないでよ」
全然笑ってないじゃないの!
「ミノ子さん、ワイン好きなんですね」
「え……ってス保さんまで、やめて!」
何で朝から熟読されなきゃいけないの!
「まあいいわ。じゃあ、今度ご飯行くときはワインの美味しいとこにしましょう」
「私達も好きなんですよ」
「その時までには、ベッドインまで進めといて」
「読ませないわよ!」
って、もう行っちゃったわ……
しかも、拾ってくれたの、あの人達だけだったわね。
ん?それより、今日ギリギリだったのに。
あの人達、結構遅い出社なのね……
一人秘書課なのに……
つづく