ミノ子の憂鬱25 ユノ×ミノ
「ミノ子?どしたの?」
「あ、ううん」
「教えてよ」
「何でもないわよ」
やっぱり、ここにヘリが停まるのは無理。
却下して正解だわ。
「そう言えばあの小説書いてんの?」
「な、なによ!ウニョ代いきなり」
びっくりしたじゃない!
「書いてんだ?」
「いいからハンバーガー食べてなさいよっ」
「夏だから暑いわあ」
「本当よ!誰もいないじゃない」
こんな炎天下に焼けちゃうわ。
「ねえ、この柵もっと頑丈にしなきゃダメよね?」
「そうね、上がらないでよ」
って、もう座り込んで食べてるわ。
「お尻汚れるわよ」
私は今日はセブンのバタースコッチパン。
これイケるの、ふふ。
「あとではらうわよ。それより読ませてよ」
「何言ってんのよ。人に読ませるもんじゃないの!……って、勝手に人のバッグ見ないでよっ!」
バタースコッチ握りつぶしちゃったじゃない!
「やだ!読まないで!」
「シャトーってなに?」
「ウニョ代は知らなくていいの!返してよ」
「はいはい。ミノ子はいいなあ」
「っもう。何よ?」
ウニョ代、食べ終わってるわ……
この『16年度決算報告』持ち歩くくせ、やめましょ。
「そんなの書けたら、いつでも主役になれるじゃん」
「ウニョ代も書けばいいでしょ。こんなの誰でも書けるわ」
「……うん」
「何よ、どしたの?お尻汚れてるわよ」
「あとではらうわ」
「ごちそうさま。って、久しぶりにこの景色見たわ」
やっぱり上から見ると高いわね。
「人がアリだよね」
「そうね」
そう言えばデスクにいたアリ、やっぱり私が連れて来てたみたいね。
あれから見ないわ。
「ミノ子」
「何よ?」
「私……実家帰るかも」
「え、何よ?どしたのよ?」
あれ?待って。
私、食後に食べようと思ってたヨーグルトどこにやったの?
ビニール袋に入ってた?
いや、それどころじゃないわ。
「どういうこと?ウニョ代……って、何で私のヨーグルト持ってんのよ!!」
「あ、ごめん。美味しそうだったから。食べてないよ」
「当たり前よっ!」
つづく