「時をかけるチャンミンたち2」チャンミンの短編
そういえば、こんなベッドだった。
俺は、俺のベッドに腰掛けた。
布団を足元にかけたまま、上半身だけ起き上がっている姿を見た。
「本物?」
と、聞かれたから頷く。
「生きてる?」
また聞かれて、少し考えた。
どうだろう。
自分の大きな目が不安げになる。
「まあ、多分」
もっと唖然とした顔になる。俺ってこんな顔するんだ。
「大丈夫だと思う。ただ未来から来ただけみたい」
続けて言うと、
「未来すごいな」
と、安心したように呟かれた。
「いや、未来はすごくない。これは俺にも現実かまだ分かってないけど、偶然」
俺もタンクトップだな。
着ぐるみどこいったんだよ。
「兵役中?」
短く刈っている髪をじっと見て聞かれる。
肌には自信あるのに、やっぱり年とってんだなあ。
肌だけ戻りたい。って戻ってるな。
俺ごと戻ったら意味ないですけど。
「そう」
「何歳?」
「28」
訝しんでいる。この頃は自分が一番メンバーの中で遅くなるというのは分かっていて、その時期は本当はまだ先のはずだから。
「あのさ、聞きたいことあるんだけど」
まあそれはいい。
「タイムパラドックスはどうするの?」
お互い聞くなって。自分相手だと年上でも気にしないんだな。
「俺もそれは気になってるけど、今更どうこうできないし、俺の聞きたいこと聞いていい?」
「……うん」
それから。
俺、女のふりがなんかしっくりくるみたいで、とかなり年下の自分につらつら話した。
「……なんだけど、原因分かる?」
俺は顔をしかめている。
「まず、俺女になりたいなんか一度も思ったことないけど」
だよね。自分もその記憶はない。
「じゃあ何で俺ここに来たんだろう」
と、俺に聞くけど、俺たちは首を若干ひねりながら見つめ合うばかりだ。
そうだよな。自分に聞いて分かれば今の俺だって分かるだろう。
それとも俺でも覚えてないことが今から何か起こるのだろうか。
時刻は真夜中1時16分。
当時の俺には寝る間なんてほぼなかったはずだ。
「もう寝ていいよ。俺戻り方分からないから、ベッドに入らせて欲しいんだけど」
でも俺は俺を見つめて、何か考えている。
「本当に、分からないんだよね?」
自分に見つめられるって変な感じだ。
やっぱり客観的に見て目は大きい。
「そんな……こと言われても」
まあそうだよな。
二人して悩む。
俺、来る時、間違えたんだろうか。
じゃあ……
この1年後はどうだ?
つづく