ミノ子の憂鬱27 ユノ×ミノ
あの子、頑張り屋だった。
忘れてたけど。
ウニョ代、偉いわよ。
仕事に彼氏。どっちも見つけようとしてる。
私なんか、営業になる勇気もない。
ううん、ユノ課長がいなければ、なりたくも、ない。
これだから女は嫌。
いつも男と生きがいと年齢に振り回されるの。
でもウニョ代がいなくなったら……
もう、だめね、私。
寂しいなんて思ってる。
応援するのが友の務めでしょ、私達に涙はいらないわ。
でもそうね、事務でもちゃんと続けて、せめて気楽に会いに行けるようにしましょ。
さ、今日も書くわ。
私は、他に見つけることなんて出来ないんだから。
私はユノ課長と言う蜘蛛に捕らわれた蝶。
いえ、蜂。
いやいや、蜂が蜂を追い払うって、どんだけ自分のこと棚に上げてるのよ。
でも蝶って綺麗な感じだし、ナルシストに思われるのが嫌。
ナルシストな女、ユノ課長きっと見抜くわ。
でも見抜かれても、あの人特に問題なさそう。
だって受付の子、相当自分に自信持ってそうだし。
要はそれに見合う外見ならいいってこと?
……男の外見主義にはうんざりね。
なんて。あんな格好良いユノ課長好きになっておいて、私が言えないわ。
チャ美なら絶対そこ突くわね。
ん?
ミノ彦さんからだわ!
『この前は楽しかったです。今度ご飯でもいかがですか?』
この人、外見主義じゃないのかしら。
何でご飯?私と?
それよりもユノ課長が受付の子のどこを好きになったのか気になるわ。
やっぱり顔かしら。
って、いいの!
私は書けばいいの!
話の中の彼は、そんなの関係なく、私のこと好きになって恋に落ちるんだから!
……お腹空いたわね。
夜ちょっと少なめだったから。
まだご飯残ってるし、どうにかして食べようかしら。
あ、ミノ彦さんに返事しないと。
『顔がなぜか生理的に受け付けないので、みんなと一緒ならお願いします』
なんて書けないし。
これじゃあ私が一番外見主義よ。
でもユノ課長を好きになったのは、見た目だけじゃない。
確かに恰好良いけど。
すごい……恰好良いんだけど。
……。
お茶漬けが……いいわね。
つづく