ミノ子の憂鬱29 ユノ×ミノ
ウォーキング・デッド、シーズン2まで見ちゃった。
動画再生はダメ。
また徹夜よ。
ユノ課長に恋してからの私は悲惨。
惚れたものの弱みね。
私の睡眠さえ奪っていくあの人が憎い……なんて、ふふ……
寝てたわ!今!
大体、電車の中で眠れないのがダメよ。
何であんないっつも満員なのよ。
満員だって知ってるんだから、二時間くらいみんな時間ずらせばいいじゃない。
……なんて。
寝不足の私は自分勝手、ふふ。
「おはようございます!ミノ子さん!」
ミノ彦さん!!
き、昨日の今日でこれはないわよ!
「6階ですよね?」
「あっ……はい」
何で電車ではあんなに満員なのに、社のエレベーターでは二人きりなのよ!
「いつもこの時間ですか?」
「あ……いえ。もうちょっと遅いんですけど。今日は早く目が覚めて……」
「早起き良いですね!今度食事しましょう!では!」
あ、行っちゃった。
あの人下の階なのよね。
っていうか、色々問題があったわね、今の会話。
私のメッセージはあの人にちゃんと伝わってるの?
前回も思ったんだけど、会話の流れが強引なのよ。
徹夜って言えなかった自分も嫌。
女の自尊心にいいことないわね。
「おはようございます、ミノ子さん」
ス保!
え?ここ何階?
「ちょっと用事があって来ただけです。今日早いんですね」
「え、ああ。あなたも」
「それより、ミノ子さん。四人で集まるワインの店決まりました」
それよりって。話題ふってきたのあなたじゃない。
「あ、そう……本当に行くのね」
「来週の水曜あたりで。なんかウニョ代さん実家帰るみたいなんで」
「知ってるわ」
「では詳細はLINEで」
行っちゃった。
あの子淡々としてるわよね。
ハンター×ハンターと女子会なんて。
私がねえ……
私とウニョ代、あんなに同期と合わなかったのに……
……。
寝てたわ!
つづく