ミノ子の憂鬱42 ユノ×ミノ
とうとうね。
って何も、とうとうじゃないでしょ。飲みの席でユノ課長見るだけなんだから。
あんなに悩んだ挙句、私良く着る服だし。
三時くらいまで寝れなかったのに。
そして、会社終わりだけど、肝心のユノ課長が来てません。
昼間からトラブってたの分かってたけど。来るのかも謎だわ。
まったく……居酒屋久しぶりね。
明太子を私に下さい。
うちのフロアーひと多いけど、店貸切る必要なかったんじゃないの?隅のテーブル一つ余ってるし。
……読めた。
来たらユノ課長絶対あそこ座るわよ。こっちにも席いくつか開いてるけど。
私から一番遠い席に座るのよ!
って、近くても遠くても関係ないわ、眺めるだけだし。
むしろ前なんか座られたら、明太子食べるどころか、石像よ。
……離れてるくらいで良いわ。
それにしても、営業のあの子は来てんのね。
隣の男、声大きいのよ。
あの子可愛いから、張り切ってるのね。
「女の人って何でアボカド好きなんですか!」
はあ。うるさいわね。
……女のアボカド好きをなめたらダメ。
「メニューにアボカド入れたら女は頼むでしょ」って思われてるの分かりながらも、頼んでしまうもんなの。
濃厚さと美容が合わさったら女の食べ物になるのよ。そんなの覚えときなさいよ。
向こうはアボカドとマグロのサラダ残ってるのね。
こっちは瞬殺だったけど。
……。
ユノ課長来ないと、見るものもない。
私、喋る人もいないし。
ウニョ代、実家帰る時見送りましょ。
多分、会社終わってその足で行くんじゃない。
……あの子、本当に辞めるかしら。
……。
この、もろきゅう美味しい。
つづく