夢の続き

東方神起、SUPERJUNIOR、EXO、SHINeeなどのBL。
カテゴリーで読むと楽です。只今不思議期。

「夢の続き69」ユノ×チャンミン

「聞いて下さいチャンミンさんっ!最後まで聞けばチャンミンさんが考えてるような役じゃないかもしれません!」


おめでたい恰好をした後輩が必死になって言って来る。


キュヒョンもその必死さに、カレーを口に入れながらにやけ顔をやめた。


俺も鬼じゃない。そこまで言うなら聞いてやる。


「よし、言ってみろ」


「えっとですね。ゲイの友達にせまられて、初めて男と付き合うことになった男の役です!」


「よし、表へ出ろ」


「ええっ!!」


キュヒョンが噴き出している前で俺は立ち上がった。


「まんまじゃねーか!」


馬鹿かっ!


「まんまって何ですか!」


「いや、まんまじゃない!まんまになるわけがないんだ!」


あれはまだゲイだと決まったわけじゃない!


「大体それどうやって一日で撮るんだよ!」


どれだけ人間の気持ちを簡単に考えてるんだ!


「いや、それは俺も分からないですけど!でもぴったりだと思うんです!」


「お前なあっ!それ以上言うと、その白いパンツも赤く染まるぞ!」


「じゃあチャンミンさんの連絡先だけでも教えて下さい!」


と言われて、それは教えた。



「俺はいいと思うよ、うん」



紅白男が去って、キュヒョンはごま油のいれすぎたカレーを食べながら言う。


「適当言うな。お前はじゃあ、できるわけ?」


食べ終えた俺は水を飲んでいる。


キュヒョンが鼻で笑う。


「誰に向かってものを言っているんだ」


俺はじいっと見ている。


「俺ができるわけないだろ!ふざけるのもいい加減にしろチャンミン!」






「……今日はすごい疲れたんです」


ユノの作ったインスタントラーメンを食べながら、俺は溜息をついた。


目の前には切ったトマトがあったけれど、ユノは手をつけていない。


「そ、そうなんだ。あ、あのさチャンミン」


ラーメンを頬張ったユノが俺を見る。


「なんですか?」


「あの……さっきから携帯ふるえっぱなしだけど」


BGMかと思うくらい今も俺の携帯の振動音がしている。


「ああ、気にしないでください。大した用件じゃないので。あとで電源切っときます。それより、トマト食べて下さい。体にいいでしょ」


「う、うん」



複雑な顔でトマトを食べているユノを見て、なぜか和んだ。




俺、大丈夫かな、本当に。








只今18時49分(ユノの退役まであと453日)

「PLAY20」ユノ×チャンミン

今朝起きて、俺は違和感を覚えた。



それは酒が大分残っていて、とんでもない頭痛と気持ち悪さで起きたことが殆ど。


その不快感を引きずったまま、俺は今移動車に乗っている。



隣には、携帯電話のゲームをしているチャンミンがいる。



……昨日の夜、俺に記憶があるところまではチャンミンは帰ってこなかった。



俺が寝てから戻ってきたみたいで、起きて部屋をノックしたらもういなかった。


それでも俺だって、起床予定時間より早く起きたんだけど。


チャンミンはマネージャーと先に食事をとっていた。


つまりこういうことなんだろう。



『昨日の夜、酔っ払ったチャンミンがまたあの変な遊びをしてきた』


『でも、昨日はやり過ぎだったと自覚して、俺に顔を合わせづらかった』



でも、俺はどういうつもりなんだ、と一言言いたかった。


けど、チャンミンは分かっている。


時間がたてばたつほど、俺があんなこと大したことじゃなかったと認識し出して、忘れること。


だから昨日も俺が寝る時間を予測して帰って来なかったし、それで俺の機嫌が悪くなってるのも分かってて、今も声をかけてこない。


あんなこと大したことじゃないよ、俺も分かってる。


でも俺はこの酷い二日酔いの頭で、やっぱり一言言う、よりも、確かめる必要性を感じた。




次の都市のホテルに着いて、部屋に荷物を置くと、チャンミンの部屋に向かった。今回のツアーのホテルではじめて別々の部屋だった。



チャンミンの予想通り、俺はあんなこと更に大したことじゃなかったと思い始めてる。



だから、不機嫌な態度をとっていた俺の気持ちが軟化していること、普段の二人に早く戻りたいことを示すためもあって、その部屋のドアをノックした。



連絡なしでも、チャンミンは俺が来るのを予測していた。



平然とドアを開けて、少し首を傾げて「どうぞ」と入るのを促した。



俺はその顔をちらりと見てから部屋に入る。


長袖シャツを着たチャンミンが腕時計を見たのを横目で見て言う。


「まだ一時間あるよ」


「ですね。座っていいですよ」


俺はチャンミンが手のひらを向けた一人掛け用のソファーに座らずに、それにもたれるようにして立った。チャンミンも、小テーブルを挟んで向かいに置かれた一人掛け用のソファーに座らずに、同じようにもたれて立つ。
俺達はお互いを見ずに、大きな窓を背にして同じ方向を見て立っていた。



そんな奇妙な体勢のまま、話し始めた。









つづく



「夢の続き68」ユノ×チャンミン

「あ、そうだ。多分、徒歩圏内に市立の図書館がありますよ。今度の日曜日行ってみましょうか?」


「え、本当?」


ユノが顔を輝かせた。


「昼から俺バイトだから、午前中だけなら付き合えます。ユノさん、そのままずっといればいいし。場所調べときますよ」


俺の探してる絵本はないと思うけど、久しぶりに俺も本が読みたい。



興奮して、鼻息荒くしているユノを見ながら、何を読もうか俺も楽しみになってきた。







「そーゆーわけで、やっぱりチャンミンさんと、そのお友達に出てほしいと言われたんですけど」


カレーにごま油を垂らしているキュヒョンが口を開けて見上げている。


「おっと、かけすぎた」


「あ、えーと、君は」


「蓑です!蓑に輝く男で蓑輝男です!」


赤色のニットに白いコットンパンツで登場した。


「あのね、君、いきなり現れて、しかも出る人間二人になってるってどういう……」


「一応、撮影期間は一日ですむみたいです。チャンミンさんの連絡先だけでも聞けませんか?」


「君、なに、その映画学科の連中に脅されでもしてんの?」


俺も手が止まっていた学食の焼きそばを食べ始める。


「あはは、そんなことないですよ」


爽やかな笑顔がふりまかれた。


「いや、俺は出れないよ。昨日も言ったと思うけど」


爽やかな笑顔がキュヒョンを見る。


「いやいや」


最近キュヒョンはカレーも食べるようになった。聞くところによると家で野菜炒めなんかも時々するようになったらしい。


口の中の焼きそばを飲み込んで言う。


「一応、それがどんな役なのかだけ聞くけど」


「あ、なんかゲイの」


「よし、帰って良し」


俺はまた焼きそばを箸で掴む。


「え、最後まで聞いて下さいよ!」


「聞かねーよ!俺は忙しいの!お前再来年同じ目に合うんだからな!」


外堀埋めようったってそうはいかないんだからな!おめでたい恰好しやがって!


「チャンミンさんならぴったりだと思うんです!」


どーゆー意味だよ!


キュヒョンがにやにやと笑っている。









只今12時38分(ユノの退役まで454日)