夢の続き

東方神起、SUPERJUNIOR、EXO、SHINeeなどのBL。
カテゴリーで読むと楽です。只今不思議期。

「PLAY19」ユノ×チャンミン

息が止まった。



俺の唇の感触を確かめるような、唇でつまむような簡単なキスがされて、すぐ離される。


でも今回離されたのは体ごとで、離しながら俯いたチャンミンが、



「俺も酔ったみたいなんで先帰ります。ヒョンちゃんと戻って下さいよ」



三階ですから、と俯いたまま口の端を上げて、こちらの反応も見ず、廊下を歩きだした。


残された俺は、自分に起こったことが理解できず、そのまま壁にもたれて立ち竦んでいる。


恐らくチャンミンの乗ったエレベーターの音が聞こえて、我に返ったように体を起こす。



一体、何なんだ。



チャンミンに電話をしようと履いていたジーンズから携帯電話を探すけれど、ない。


会場に置いてきたらしい。


十字になった廊下の奥にエレベーターが見えた。わけわからず向かって、ボタンを押すけれど、来たのは当然、空になった箱だけだ。


言われた通り三階を押すと、見たことのある店が見えた。


「またあっちに行ったよ。明日は移動だけだし、チャンミンも少し飲みたいだろう」


と、スタッフのほぼ全員ができあがっている中、素面のマネージャーが俺に言った。


「結構飲んでたみたいだけど」


帰ったんじゃないのか。チャンミンはまた日本の友人のところに戻ったみたいだった。


「こっちでは飲んでないよ。着いてすぐお前を探しに行ったし。トイレに行ったと思ってたから、焦ったよ」



お前は帰るか?と言われて、狐につままれたような気持ちのまま、




酔いと疲労が酷かった俺は、そのまま東京の宿舎に帰った。












つづく

「夢の続き67」ユノ×チャンミン

「ユノさん、映画出たいですか?」



「え!なに?」



今日は実習後で遅かったから、ユノがバイト終わりに買ってきてくれていた「サーモンクリームパスタ」を二人で食べていた。


まあ、これもクリスマス商品なんだけど。



「映画って言っても学生映画ですけど。でも映画祭に出したりするようなこともありますよ。多分完成は一年後とかになると思いますけど」



ぎょっとしていた顔のユノは、とりあえず口の中に詰め込んでいたパスタを食べきった。


「なんでそんなこと聞くの?」


「なんかユノさんを出したいって人がいるみたいです」


俺もつい沢山口に入れてしまう。これ、次バイトの時食べよう。


ユノが俺の顔を見てまた口に入れて、食べながら考えている。


「もし出たかったら、言っときますよ」


口の中のものが飲み込まれた。


「……チャンミンは?出てほしい?」


「いや、出てほしいとか出てほしくないとかはないですよ、特に。どっちでもいいです。知り合いでもないんで」


「あ、そう」


ユノが口元をゆるませて、ほっとした顔をした。


「俺は……出たくないかな」


「へえ、そうなんですか」


結構意外だな。ユノなら「出てみたい!」と言うのかと思った。


それで色々とまた何かあってなぜか俺まで出る羽目になってとか思ったけど、これは意外だった。


「そうですか。良かった良かった」


「なに?チャンミンなんか嬉しそうだけど」


「いえいえ、これ美味しいですね」


「うん、そうだね」


「そういえば、ユノさん。バイトないとき昼間何してるんですか?」



これずっと疑問だった。ユノが「え」と声をあげて頬を赤らめる。え、なになに、ナニしてんだ?
ユノが言いにくそうにもじもじしはじめた。


「あ、じゃあいいです。言わなくて」


まあ、この人も男だし、いろいろあるのかもしれない。



「え!ちが!ほ、本屋にいるんだよ!」



「ああ、本屋。本好きなんですか?」


これは意外にもほどがあるな。


「うーん。すき……なのかな。色んなことが書いてあるから。結構長い時間いることもあるよ」


「おススメは何ですか?」


「え!」


また真っ赤になってもじもじしはじめた。


「あ、じゃあ言わなくていいです」


まあ男だからな。本屋には色んな本が置いてあるしな。



「あ、いや!その……最近は、


…………野ねずみが、冬支度に……食べ物を蓄えるやつとか」



そんな本聞いたことねーよ。あ、いや本屋には何でも置いてあるからな。


「それは……絵本とかですか?」


ユノが更に赤くなって頷いた。


「ああ、別にいいと思いますけど。絵本が好きなんですか。俺も好きなのありますし」


俺も大人になってから好きになったのが一つある。でも本屋になかなか置いてなくて、いつも探してしまうんだけど。


ユノが俺をじっと見ていた。









只今20時26分(ユノの退役まで455日)










ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
すごい戯言なんですけど、今日夢の中で「夢の続き」の話のネタを考えておりまして、それを実際夢の中で「これ起きてから採用できるんだろうか」と傍観者として体験していたのですが、寝ている時も微妙で、起きてから再考してもやっぱりないなと却下されました。これ良くある自分の癖なのですが皆さまもおありでしょうか?

「夢の続き66」ユノ×チャンミン


「うーん。あの人、結構変わってるよ?ちなみに連絡先なんてない。携帯持ってない」


「え、そうなんですか!」


「うん。どうしてもってことなら聞いとくけど」


うちにいるから。


「そうですかあ、まあそれで、俺はあの人は知り合いじゃないからって、言ったら、じゃああとの二人のどっちでもいいからって言われたんで、チャンミンさんなら大丈夫って言っておきました」


「って、おいっ!!蓑っ!」


何考えてんだ!こいつ。


「ほお」


さっきから、キュヒョンは何なんだ。


「だめですか?」


俺に上目遣いで見る。可愛くねーんだよ、男がしても。


「この時期忙しいの分かるだろう?日本人役なら発音も練習しないといけないし、無理だよ」


「やっぱそうですかあ。先輩たちこんなに日本語上手ですけどね。キュヒョンさんは?」


「俺はこいつに輪をかけて忙しいよ」


「分かりました。言っときます!」


にかっと笑う。こいつも違う学科だし、他人事でどうでもいいんだろう。


「先輩たち、三実の現像の方はどうですか?そろそろ佳境ですね」


白目がはっきりとした大きな目がきょろきょろと動く。


「俺は色変えていくのがこれから。キュヒョンは現像自体も残ってる」


「みたいですね。噂には聞いてます」


それでも余裕そうな笑みを浮かべてるキュヒョンを、横目で見ている。


「キュヒョンさんのカメラ、すごいですね。学生で使ってる人初めて見ました。あとどのくらい枚数あるんですか?」


「百くらい」


キュヒョンが首から下げてたのを手にもって見ながら、平然と答えた。


「ひゃく……ですか……噂には聞いてましたけど。すごいですね。現像室予約で埋まってますけど大丈夫ですか?って俺なんかに心配されても仕方ないですよね」


何にも動じていないキュヒョンの態度を不思議そうに見ている。


「大丈夫。俺色変えないから」


「そうですか……。じゃあ、俺、これから映画の現像室見に行くんで。ついでに伝えときます。先輩たち頑張ってください!」


そう言ってまた爽やかに笑うと、嵐のように彼は去っていった。


「なんだあいつは……」


そのあとを見送る。


「お前、出ないの?」


「なに?」


颯爽と走り去った後ろ姿から、声をかけられた隣に目を向ける。


「お前この調子でいけば時間できるだろ」


「出るわけないだろ。時間はあるだけ色調整するよ」


「出れば面白いのにな」


顎をさすりながら頷くキュヒョンに口を尖らせる。


「いいから行こう。お腹空いた」


「はいはい。俺は今日もマイごま油を用意している」


そう言ってキュヒョンがにやりと片側だけ口角を上げた。






只今12時16分(ユノの退役まで456日)