夢の続き

東方神起、SUPERJUNIOR、EXO、SHINeeなどのBL。
カテゴリーで読むと楽です。只今不思議期。

「夢の続き31」ユノ×チャンミン


しばし眺めたあと、小さく息を吐いた。



この人、良く今まで俺を普通に学校に送り出したな。



水とみかんと着替えを用意する。


「起きて。薬です」


汗凄いな。とけたような目蓋が開く。


ベッドの淵に座って覗き込む俺を見上げて、力なく笑った。



「チャンミン……」



さっきまでシーツの上で、誰かを探していた手が俺に伸ばされる。




俺は、



自分の外見を自覚して、もう長いこと経つ。


身長は特に。


それに不釣り合いな幼さの残る顔立ちも。


大きな二重の目に、長めの鼻筋、そのせいで距離のなくなった唇との間隔、高さのない顎、


それが自分の外見を良く見せている事も。


町を歩いていて見られることも良くあるし、自分で言うのもなんだけど女子に人気があるのも知っている。あと一年半で帰国する自分にはあまり関係ないけど。



でも俺は、ここまで自分を見て、欲してくる人間を知らない。



本当にこの人は変質者でストーカーなんて思われても仕方がない。


同性なのが一層そう思わせる。


まるで、これじゃあ俺はアイドルだ。



「……チャンミン?」


虚ろな意識で俺の表情を読み取ったのか、顔まで伸ばそうとした指先が、やめて俺の腕を撫でた。


「起き上がれますか?」


ゆるく頷いて、だんだんと上半身を起こす。額に貼り付けているのを取り換えて、みかんを食べさせて、薬を飲ませた。



正体不明のこの人の処遇を俺は早く決めなければいけない。



「じゃあ俺、シャワー浴びてくるんで、着替えてて下さい」




「……ユノも行く」




しかも「ユノ」続行中。










只今11時11分(ユノの退役まで487日)

「夢の続き30」ユノ×チャンミン


土曜日の今日。



学校が休みでよかった。たまに土曜日行く時もあるけど、良かった。


ほとんど寝られなかった。


いや、クソ暑いのもあるんだけど、いや、クソ暑いのが殆どなんだけど。


この熱の供給源の熱が変わらなくて、


……気になって、寝られなかった。


今何時だよ、って時計見れないし。


先ほどからここ「シム(俺の苗字)のベッド」では俺とこの供給源の無言の戦いが繰り広げられている。


なるべく起こさずに、どけてもらおうとする俺と、
意識があるのかないのか、しがみついてくるコレ。


どうするか、考えていたけれど、結論はすぐ出ました。


「ちょっと」


肩を掴む。掴んだそばからその汗で手がすべった。


とにかくこの人を着替えさせて、早く薬を飲ませたいんだ俺は。


「起きてください」


今度は本気で肩を掴んで引き剥がす。


「……や……だ……」


本気で抵抗してくるから性質が悪い。


「起き……ろって!」


「んー!……」


起こすどころか、このまま掴んで窓から放り投げたくなるな。


「起きろ!!!」


「……」


どうやら、ようやく意識が浮上したらしい、抵抗が止んだ。


「水持ってくるんで、薬飲んでください」


「ぅん……」


「離して」


俺の胴に回されていた腕が徐々に抜ける。


本当に病院考えないとな。


とりあえず、薬。


買って来てたみかんと一緒に食べさせるか。


ベッドから起きて、冷蔵庫に向かう。


「チャン……ミン」


声がしたから振り返ると、
ベッドの中の寝ているユノが腕だけ動かして、多分俺を探している。






只今10時55分(ユノの退役まで488日))

「夢の続き29」ユノ×チャンミン

「はあ……」


さっきまで大人しくこたつで寝てたのに。


でも元はと言えば、この風邪は……。


また俺はため息をついた。


「分かりましたよ」


一応、俺も風邪薬を飲んでから、ベッドに上がった。


壁側にもぐりこむ。


入った瞬間に気づく。



熱い!



その上、ユノが俺にしがみついてきた!



おいおい、やりたい放題だな。


これ以上なんかしたら、三階から放り出そう……と思っていたら、胸元から安らかな寝息が聞こえてきた。


しかも結構汗かいてる。でも拭いてやろうにも、自分についた汗を拭こうにもしがみつかれて動けない。


仕方ない。


俺も男だ。観念して寝るか。



……と思ったけど。



もう、この真冬に。




熱いんだよっ!!





只今0時52分(ユノの退役まで489日)