「白が降りしきる深夜 最終回」テミン セフン SHINeeの短編 EXOの短編
顔の横に手をつかれながら、見上げる顔色が変えられなかった。 「もっと最低なこと言うと思ったけど」 と、答えられて、セフンは胸がしめつけられるのを感じた。 「自分で分かってるのはそこまでです。でも言ったのは全部さらけ出したくなったから。それくらいちゃんとは、付き合いたい」 表情が変わったのは自分だっ... 続きをみる
東方神起、SUPERJUNIOR、EXO、SHINeeなどのBL。
カテゴリーで読むと楽です。只今不思議期。
白が降りしきる深夜のブログ記事
白が降りしきる深夜(ムラゴンブログ全体)「白が降りしきる深夜 最終回」テミン セフン SHINeeの短編 EXOの短編
顔の横に手をつかれながら、見上げる顔色が変えられなかった。 「もっと最低なこと言うと思ったけど」 と、答えられて、セフンは胸がしめつけられるのを感じた。 「自分で分かってるのはそこまでです。でも言ったのは全部さらけ出したくなったから。それくらいちゃんとは、付き合いたい」 表情が変わったのは自分だっ... 続きをみる
「白が降りしきる深夜 12」テミン セフン SHINeeの短編 EXOの短編
続けて言い、ほぼ睨んでいる人間と見つめ合う。 防がれていた手の力が抜け、離されて、一気に唇の距離をなくそうとしたセフンの口の前に掌が出される。 自分を観察する美しい白い顔を眺めた。 「こんなに同性愛に生きにくい世の中で、お前本当に相当だよ」 返事をせずに見ているそれと合う眼差しも笑みがどこにもない... 続きをみる
「白が降りしきる深夜 11」テミン セフン SHINeeの短編 EXOの短編
どこまでかは知らないが、生半可な気持ちでは手に入らないと分かるくらいの洞察力なのは、いつもの彼の様子から何となくは伝わっている。 セフンは小さく冷たく見えると言われる目で見据え、別にどこまで分かっていても良いと思った。それにも惹かれ、そして、そんな類のことを言った人間も確かに経験にはあり、彼女は自... 続きをみる
「白が降りしきる深夜 10」テミン セフン SHINeeの短編 EXOの短編
黒く映る窓にぱらぱらと散らばって行く。この水みたいな人間が、降らせている。 そんな妄想をしてから、その人間が、面倒なことを言って自分を追い払おうとしている。 セフンは思いながらも自然と過去の色恋沙汰を引っ張り出し、経験の中に真っ先に見出したものを、抗うように吐き出した。 「ゲイじゃない男に入れ込む... 続きをみる
「白が降りしきる深夜 9」テミン セフン SHINeeの短編 EXOの短編
無駄な音がしない空間で、透明なグラスの中の小さな泡がはじける音だけが聞こえる気がする。 テミンが残りがあるそれをフローリングに置いた。 表情を無くした色白な男は、組んだ足元にことんと音を立てただけで立っているこちらを見上げていた。 居心地の悪さを覚えたが、後には引けなかった。 彼の背後ではカーテン... 続きをみる
「白が降りしきる深夜 8」テミン セフン SHINeeの短編 EXOの短編
テミンのはっきりと二重になった目は大きくはないがそう見える。自分を責めていることは十分みてとれた。 「スプライトかコーラあるけど」 言いながら奥に行ってしまう灰色のスリッパを眺めて、今日自分が一体何をしたのか一日を思い出しつつ、上がった。 手前のキッチンに入ってしまったが、奥にはベッドがある。シン... 続きをみる
「白が降りしきる深夜 7」テミン セフン SHINeeの短編 EXOの短編
「今、誰も聞いてないだろ」 路地に入ると、外灯も少ない住宅街に聞こえるのは二人の物音だけだ。 それから頭上に降る、時折大きくなる雨粒の音。 彼の呟きは、雨音に混じった。 答えずにいようかと思ったが、暗い道路に顔を向けたまま、返した。 「話だけにならないかもしれないし」 隣が、横目で睨むようにしてき... 続きをみる
「白が降りしきる深夜 6」テミン セフン SHINeeの短編 EXOの短編
『何番出口?』 『6番です』 『分かった』 初めて見る私服姿に、ビニール傘の下、柔らかそうな黒いストレッチパンツや、薄紫の半袖のパーカーに、セフンは声を無くして立ち尽くしてしまう。スーツよりも、長年合わせてきた形の服を着ていると不思議さが増して見えた。良かったのは、いつもの小馬鹿にした表情をしてい... 続きをみる
「白が降りしきる深夜 5」テミン セフン SHINeeの短編 EXOの短編
ごくりと喉を鳴らして、こちらがコンタクトを取りたがっていると分かっている相手のこれは、牽制ではないと心拍数を上げる。 それなら、もっと返事は遅くなるだろう。仕事の用なら第一に伝えるのが、習慣になっている。プライベートの連絡で、なら自分達には一つしか用件はない。 試されているような状況に、返事を間違... 続きをみる
「白が降りしきる深夜 4」テミン セフン SHINeeの短編 EXOの短編
携帯電話の連絡先を一瞥し、住んでいる駅は知っていると考えるや否や、セフンは立ち上がっていた。 気まずくなれば会社なんか辞めれば良い。同種の職種は似たり寄ったりの安月給で沢山あるし、自分にとって会社自体生き甲斐になるようなものではなかった。それよりも割り切った関係さえも築こうと思えない自分は、このま... 続きをみる
「白が降りしきる深夜 3」テミン セフン SHINeeの短編 EXOの短編
車内の沈黙は仕事に必要なそれ以外、帰宅時間まで続いた。からかってこないどころか、何かこちらが気に障ることでもしたような相手の態度に、セフンはあることないこと考え、「お疲れ」と一声かけて来るだけでデスクからドアに向かう後ろ姿を呆然と眺めた。 あの雨宿りをした短時間に何の気持ちの変化だと、白い肌の柔ら... 続きをみる
「白が降りしきる深夜 2」テミン セフン SHINeeの短編 EXOの短編
しかし、雨は止んだ。 閉まった店の小さく屋根のついた入口で、今にも青空が見えそうな、明るくなっていく雲間を小さな目の瞳を上にして確認するも、セフンは一息ついた。 隣のテミンの反応を待った。それは自分が後輩と言うことで、そんなに不自然さもないのだ。 と言うことにした。 次の取引先が終われば、会社に戻... 続きをみる
「白が降りしきる深夜 1」テミン セフン SHINeeの短編 EXOの短編
弱まって来た雨脚を眺めて思わずついた溜息に、ふうんと言われ、セフンはしまったと小さな口を閉じた。 横目に見ると、丸い目は今にも晴れそうな空に向けられているが、その細いピンクの唇は端がゆるんでいる。 この前は、残業終わりに飲み行くかと誘われたビールバーから出たところで酔いにまかせて、抱き締めてしまっ... 続きをみる