なあ、ハンギョン、なあ。 壁面に様々なライティングが施されたビルを窓から眺めながら、ふと、こちらの顔を覗き込むようにして隣にいた人間をハンギョンは思い出した。 茶色の長い髪に、大きな目と白い体が、若干女っぽくも見えたけれど、男。 異国の仕事で出会った、その国の人間だった。 何年も共にして、そして自... 続きをみる
First dreamsのブログ記事
First dreams(ムラゴンブログ全体)-
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こいつをどうしてやろうかと思う。 年の初めに恋人が、女と浮気をして、でも、いつものことだった。 ごめんごめん、なんか向こうからキスされたんだよお、といらないことまで喋る口に、こいつの頭はどうなってんだと、ベッキョンは、タオを見て思っていた。 お前が俺に、「好きでどうしようもないんです」と泣いたから... 続きをみる
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つまらない夢だ、とテミンは思った。 先ほどまで、真夏の入道雲の上に浮かんでいるようだった白い視界は、いつのまにか落ちて行く太陽のせいで、濃い桃色に変わっている。 これから飛行機は、あの中に傾いて行く。もこもこした雲は綿あめのようだった。自分がピンク色の綿あめの中に飛び込む錯覚を、テミンはした。 厚... 続きをみる
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……初めて見る夢を教えて。 目を開けると、ユノはゆっくり瞬きをする。目の汚れでかさついた目蓋が上手く動かなかった。 誰かの声を聞いた気がした。でもそれが本当か、確かめるのに少し怖い気がして、そのままにしている。怖いとは思いたくないので、もう一度眠りに落ちようかと思う。 けれど、動悸がした。 これは... 続きをみる