*続き物なので一話からどうぞ。 「薬草だよ。薬草だよ」 頭上に大きなハサミを突き上げて、器用に箱を持って来る蟹をキュヒョンは無視した。言わなくても分かっているのに、おどけて言っているのだ。でも無視をするのもキュヒョンなりの冗談だった。それを蟹も分かっている。 「ひと箱下さい」 優しい相棒が乗ってや... 続きをみる
Moon storiesのブログ記事
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*続き物なので一話からどうぞ。 「空違いますね」 振り向かず、シウミンは「そうだな」と応えた。それがどちらの国の空と違うのかは分からなかった。でもどちらの国とも違うのだから、言及はしなかった。 月がとても大きく見えていた。 金色に見えた。 「月餅食べないとな」 冗談は苦手なのだけれど、後ろから小さ... 続きをみる
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「疲れたなあ」 クレーターの淵に、白い毛で覆われた柔らかい尻をぺったりとつけて、ユノが溜息をついた。 「今日はもういいんじゃないですか?」 その隣に立って、チャンミンはこちらも白い毛で覆われた自分の肩をとんとんと自分で叩いた。 「いや、それはだめだよ」 「冗談ですよ」 本気に見せかけた冗談を言うと... 続きをみる