夢の続き

東方神起、SUPERJUNIOR、EXO、SHINeeなどのBL。
カテゴリーで読むと楽です。只今不思議期。

EXOTICA:「入口」




黒い砂浜は火山灰が混じっているからだ。
島を形成した火山が眠ったのは何百年も前だが、今でも、上に大地を築き草を生やしてしまった噴火口が大昔に吐き出した遺物を捨てずにいるのは、時の流れに逆らっている。
独自の進化を遂げた動植物も、観光地と言うよりも古代にでも迷い込んでしまったようだ。
だが、海を越えてやって来た自分達には、ここは確かな楽園で、透明度の高い翡翠のような海と、椰子、ソテツの代表的な亜熱帯植物に周りを囲まれると、気分は高揚させられる。白い浜辺もフェリーで楽に渡れる孤島には存在するし、そこら辺は更なる自然が残り、保護区にも指定されていた。
南国と言うほどの暑さもなく、湿度も低いと、6月なのに、まるで夏の終わりを彷彿とさせる。でも、この楽園も今日までだ。明日にはこの地でまだ仕事のあるメンバーを置いて、それぞれ次の現場に飛ぶ。自分はソウルに戻る部隊で、帰ってからすぐ彼らをドライバーと共にスタジオに連れて行かねばならない。
次に丸一日こんな陽気な島にいられるのはいつになるだろうか。と、言っても仕事だけど。
良かったな。日が射して来た。
昨日までは曇天で問題ないスケジュールだったが、予報通り晴れて、これで夕景の撮影が出来るだろう。
さあっと緑を潤す細い雨が降った午前中は、午後にもこれが来るなら明日早朝まで撮影の延長を考えることになっていたが、その心配はなくなったらしい。
今では草原になった噴火口は島の中央で、雨に降られるか冷や冷やしながらした空撮は無事終了したものの、午前中の屋内撮影以前に、昨日からここで仕事をし、ここに来る飛行機に乗る空港に向かうまで仕事をしている彼らの顏にはカムバック前の疲労がメイク無しではアップを映せないほど蓄積している。
次のロケ地に移動する間には一時間も昼休憩がある。そこで少しは回復して欲しい。
そう思いながら、俺はバスの二列目で彼らの今後のスケジュールを確認した。
「海近いとこですか」
「そうだよ」
最初に声をかけて来たのは、後ろに座っていたシウミンだ。メンバー1の小柄だが、目にくまをつくって微笑む姿には最年長の頼もしさがあった。
「何食べれるんですか?」
「海鮮だと思うけど」
彼の隣に座っていた最年少のセフンは声も顏も元気で、やはり年齢もあるのかもしれないと苦笑した。
「まだあんまり腹減ってないな」
後部席で今回赤毛にされたベッキョンが窓の外を見ながら呟くと、「さっき差し入れ食ったしな」最も高身長なメンバー、チャニョルが座席の間を移動して前に来た。
「今日の撮影遅くなりますか?」
通路を挟んで、セフンとシウミンの背に差のある二人の隣に座った。
「いや、ならないよ。八時撤収」
答えながら、今日の分のスケジュール表をもう一度めくる。朝が押したから気を揉んでいたのだろう。返事を聞くと、表情を緩め安堵しているのが分かる。昨夜白に近いヘアカラーにされたせいで、一瞬誰だと、今でも俺は見慣れない。
「もう着くよ」
島をぐるりとつたう広い道路は、大体どこからでも蒼い海が見渡せる。今日の店は眺めの良い道路沿いだったが、殆どのスタッフは次のロケ場所に移動し、近くで軽い食事を取って小道具の配置とカメラテストを済ませる手はずになっている。
浜辺に生え出たような、溶岩の堆積で黒く切り立つ崖に差し掛かる手前で、目的地に着いた。天候は、更に日が照り、午後三時前で汗をかく暑さだ。今朝の雨の湿度が、店前の駐車場で降車した全員の眉間を寄せた。しかし、休憩は休憩だ。少しせばまった道を挟み、地平線に拡がる澄んだ紺碧を視界に入れると、表情を明るくさせた全員が店に入らずそちらへ足を向ける。
思わず着いて行ったのは、自分も決して彼らが心配だっただけではない。
「綺麗だ」
強い日差しで白目を光らせて、走るメンバーのあとを歩いて追うD.Oこと本名ギョンスは常時一番スケジュールが詰まっている。疲れが滲み出ているその後ろから、グループのリーダーは明日の居残り組で、それ用の台本をバスに忘れたらしく取って戻ってきた。
「スホ」
「はい」
 移動時間は十分もなかったが、寝ていた顔はむくんでいる。
「先に店入るか?」
すでに中に入ったヘアメイクに電話をかけようと携帯電話をバッグから取り出した。
「いえ、俺も海見たいです」
「そうか」
浜辺に着いてしまったカイこと本名ジョンインが手を振っている。あれだけ踊っても体力あるなと眺めた。
何人かのシャツの背が潮風ではためている、偶然か次の衣装に似た私服を全員が着ていることにここで気づいた。
一緒に広い砂浜まで来てしまい、太陽を反射する眩しい水面で目をやられる。俺は良いが、ここにいる彼らは日焼けは禁物で、そろそろ店に入ろうと言いかけた時、はしゃぐ彼らの間で、俺はこつと何か濡れた砂浜で蹴った。
まるで、どこかで見たことあるようなコルクで栓がしてある小瓶だ。
「うひゃあ」
顔を上げる。こいつら本当に疲れが取れた顔してやがる。
では、定期的に海を見せれば良いのか、と浜辺を駆けまわり、完全に舞い上がって妙な歓声を上げる変なグループを尻目に足元に転がっていた瓶を拾い上げた。
何か入っている。
紙だ。
湿ってもいないコルクを捻って開くと、何ですかと俺の周りに全員寄って来た。
暑いと思いながら、俺は、アイドルグループEXOの八人のメンバーに見守られながら、こちらも濡れていない四つ折りの真っ白なそれを、そっと開いた。





❝ こんばんは、皆さま。それでは企画を始めましょうとここに開催宣言をする者です。


いえ、少し前から始まっておるのでございますが。五人の書き手様方は、今この瞬間から当管理人と一緒に、作り手としてこちらの物語に参加して頂くのでございます。
えー、やだやだ、あんまり面白くなかったと駄々をこねても、もうだめでございます。皆さまいい大人でございますから、時には我慢も必要なのでございます。


紙と小瓶を拾い上げたこの男はマネージャーでございます。現在は「KoKoBop」のMV撮影中でございます。


色々と積もる話もあるのでございますが、それはこの『EXOTICA』が終わってからに致しましょう。
お話は、このあとメンバーのチェン氏が、浜辺から見える断崖に観光用の洞窟を発見致します。そして、その洞窟の中には、それぞれ違う色で照明された一畳ほどの小さな洞窟が五つあるのでございます。


入口に案内人の立つ洞窟を、マネージャーであるこの男が最初に一人で観賞し、大丈夫だと踏んだうえではしゃぐEXO様方がそれぞれ五つに分かれ、同時に五つの小さな洞窟に入るのでございます。
が、なぜか一歩入った時点で、彼らは異世界に迷い込んでしまいます。


書き手の皆さまには、異世界に入った瞬間から、五つの小さな洞窟を飛び出し、その場でリアクションを取るまでの、五つのEXOメンバー様方のお話を書いて頂くのでございます。リアクションと言いましても、何か動きをしてほしいと言うことではございません。精神的なものでも何でも、そこは書き手様にお任せ致します。
これからそのメンバー様をお一人お一人指定させて頂くのでございますが、メンバーの関係性と洞窟から出た後の行動まで指定させて頂く書き手様もございます。
それでは参ります。


黄の洞窟:フェリシティ檸檬様  シウミン(実はセフンと恋仲であるが、メンバーにも内緒にしている。小さな洞窟から出たらすぐにセフンと抱き合うところでお話を終わらせて下さい)
白の洞窟:みむ子様  セフン(実はシウミンと恋仲であるが、メンバーにも内緒にしている。小さな洞窟から出たらすぐにシウミンと抱き合うところでお話を終わらせて下さい)
緑の洞窟:roiniy様  チャニョル  D.O(指定なし)
青の洞窟:βカロテン様  カイ チェン(内緒にしているが恋人同士)
赤の洞窟:haruyuki2様  スホ  ベッキョン(指定なし)


指定なしのお二人は、現在はただのメンバーでございますが、お話の中で出来るだけ恋をさせて下さい。異世界に入り込む期間は三日でございます。しかし、実際の経過時間は10分でございます。
そしてここが重要なのでございますが、異世界は、自動的に戻って来るものではございません。どんな簡単なものでも構いませんゆえ、三日間でその世界を抜け出すための何かを考えて頂きたいのでございます。


第一話更新 9月26日朝9時


タイトル表記 フェリシティ檸檬様なら EXOTICA:黄の洞窟 「お好きなタイトル」、みむ子様なら  EXOTICA:白の洞窟 「お好きなタイトル」と「タイトル」の前にEXOTICA:〇の洞窟、を付けて皆さま表記して上げて下さいませ。自分も一話ほぼ同時に上げます。


一週間後の10月3日に当管理人が洞窟から出て来た彼らをこのマネージャーの男を主人公に上げ、企画は終了致しますが、一話におさまらない書き手様は9月26日から10月2日までの朝9時に続きを上げて下さいませ。その時でございますが、二話以上にお話がなった場合、(二話でも)最終話を10月2日朝9時に設定して頂けたらと思います。
*出来ればフェリシティ檸檬様、みむ子様にはどれだけ短いお話になられましても二話以上に分けて頂きたいのでございますが、強制ではございません。
あとがきは10月4日の朝9時に同時更新したいのでございますが、あとがきを書かれたくない書き手様はそちらは放棄も出来るのでございます。


お話のトップにこの画像(大きさはお任せで)と、こちらの記事のリンクを「この企画から始まっています→」とでも、文章は何でも良く、貼って頂きたいのでございますが、こちらも強制ではございません。
この物語は今からはじまり、10月3日に終わるのでございますが、最後に自分が全員の書き手様のリンクを貼った記事も上げます。もし可能でございましたら、書き手様同士、特にフェリシティ檸檬様とみむ子様はリンクをお互いのお話の記事に貼られた方が面白いと思うのでございますが、これもお任せ致します。これと共に五人の書き手様方は、当管理人以外の他の書き手様が書かれたお話の中に、ご自分のお話のリンクを貼られる可能性があることをご了承下さると有り難いのでございますが、こちらもまた強制ではございません。コメントを下さいましたら、ここに不可の書き手様を追記致します。全員OK
*読み手様、特に、東方神起様などの二次創作をされる書き手様には申し訳ございませんが、これらの書き手様方のお話のコピーやリンク、引用をどこかで使用することは一切なさらないで下さい。アイデアなどの真似も同様にお願い申し上げます。


メンバー様の外見は、EXO様のMV「KoKoBop」の最後、「KoKoBop」の文字が入る彼らの服装と髪型で統一させて下さい。バッグ等は全員持っておりますが、通信機器は全て通信出来ない状態でございます。そして、マネージャーのこの男のことはお話に出されませんようお願い致します。これは皆さまの読者様の中には、皆さまのお話だけで楽しみたい方がいらっしゃいますゆえ、余計な登場人物を出し折角のお話を散漫にさせないようにでございます。メンバー同士の話題は、他の書き手様に相違点が出ない程度にお好みでお出し下さい。
*文章の統一なども必要ございません。書き手様のお好きな文体でお話をお書き下さい。


読み手様にもまたお願いがございます。五人の書き手様方の描くお話に楽しんで頂けましたら、どんな些細なものでも構いませんので、書き手様のお話に感想のコメントをして頂きますと有り難いのございます。書き手にとっては読み手様の反応を頂けるのが一番でございまして、中には忙しさなどよりコメントのお返事が出来ない方もいらっしゃるかもしれないのでございますが、その可能性も考慮した上で、是非お願い致します。勿論楽しんで頂けたらでございまして、当ブログにはこちらのお話のコメントは一切不要でございます。



これが今企画の詳細でございます。このお話はまだ夏の始まりでございまして、EXO様と一緒に五つのお話で、もう一度今年の夏を味わって下さいますよう。


どんな異世界でも全く問題ございませんので、五人の書き手様(フェリシティ檸檬様『海の底、森の奥』みむ子様『虹を求めて』roiniy様『大帝男子』βカロテン様『緑黄色野菜』haruyuki2様『ソラノムコウ』)はお好きに作り上げて下さい。
しかし、必ずこちらに戻って来て下さいますように。



それでは、またお話の中で。



睡魔夢子 ❞





紙にずらりと並ぶ言語に顔を顰めた。
一体何語だろうか。
俺を取り巻くメンバー達も、首を傾げている。
仕事で多くの外国語を目にしているが、見たことのあるどこの国の文字とも似ていなかった。
言語なのかも分からない不思議な記号だ。紙自体はそんなに古くはなさそうだが。
そんな中で、
「あれ見て。洞窟だって」
筋肉質な首を伸ばしたチェンが指差した方へ、一斉に向いた。
本当だ。
浜辺を行き止まりにさせる切り立った黒い崖はよく見ると、地面から崖を裂いたような入口に、新しそうな看板が立ててある。洞窟名と観光料がペンキで描かれていた。
ここら辺は溶岩洞窟が幾つかあるが、あんなに規模の小さいものもあるのか。
面白いね、安い、などと口々に言い合って、そわそわと俺の周りが体を動かし始めた。休んでもいないのに大分疲労は回復されたようだ。とは言っても本当に極限まで体力を奪われた場合、彼らはこんな時ロケバスから出て来ない。
腕時計を見た。食べる時間は少なくなるが、外観だけ見て戻るならそんなにかからないだろう。
「先ず店に入るメンバーは一緒に戻ろう。あの外からだけだけど、見たいメンバーはここに待機で」
俺が言うと、少し驚いてこちらを見て来たが、全員が輝かせた顔を見合わせたあと、決まっているとでも言うように同時に洞窟に向かって歩き出した。
「足元だけには気を付けてくれ」
声をかけても、「コウモリいるかな」「鍾乳洞かな」などと言い合って聞いていない。
さっきの紙をもう一度瓶にしまいながら、何となく捨てるのに忍びなく持ってあとを歩いた。
巣があるのだろう、無数の海鳥が崖を飛び回っている。ここら辺は魚も良く取れる。もっと天気の良い日には多くの岩場で海女を見かけた。
洞窟の中から出前の白いカップに入った赤い麺をすすりながら案内人らしき人物が出て来て、自分達に気付いた。
「どうぞ。こちらは開放になったばかりですよ」
「そうですか」
答えながら、到着した。もう入口に固まって覗き込んでいる後ろから、俺も覗いた。暗いが奥は色鮮やかに照らされているみたいで、その明かりが少し見える。
「広さはどのくらいですか」
「広さはないですけど、変わってますよ。五つの小さい洞窟に分かれてるんです。今日照明を足したところなんで綺麗ですよ」
赤い麺を脇の大きな岩の上に置き、地元民らしいカジュアルな恰好をした四十代くらいの中年は笑った。
「ここにもライトがあったんですが調子悪くて、明日また政府が取り換えますけど、入口はちょっと暗いでしょう」
そう言ってその辺りを手で差した。行儀よく中に見入っている彼らを見て、中年男は「なんか派手な格好してますね」とテレビを見ないのか声を落としてこちらに囁いた。
ええ、まあと答えながら一人分の観光料を渡し、「俺だけ先に見てから中に入れるか確かめるから」と呼びかけると、目を丸くして歓声が上がった。
本当に広くないのか、それから「安全はどうなんですか」と二メートルほどの暗い入口を、後ろを歩く男に向かって言う。岩で足場は悪いのかと思いきや大分古いのか岩は擦り減っていて歩きやすい。
政府が調査したばかりですから問題ないですよ、とすぐ後ろで返事をされた。
「歩きやすいんですね」
「少し舗装してますよ」
「そうですか」
確かに五つの照明に照らされて、ずらりとフォークの先のようになっている。
「これで終わりですか」
「ええ」
一つ一つは、個室便所くらいの広さだった。奥に色違いの照明が設置されている。
「これ、人数分です」
八人の料金を渡して、向こうからのぞいている面々に声を張った。
「入っておいで、料金払ったから。足元気を付けて」
どよめきと共に入って来る足元を、係員がさっと懐中電灯をつけて照らした。
全員が入って来ると、中は狭く感じる。
ここ電波入らないのか。
俺は取り出してみた携帯電話の、圏外に該当するマークに目を細めた。
「じゃあ、必ず10分で出て来て」
壁を触ったり、頭上を見上げたりしている彼らに声をかけて、
「じゃあ、いっせーのでで入ろうぜ」
「じゃんけんで分かれよう」
などと言う楽しげな会話を聞きながら、懐中電灯で照らしてくれた係員とともに洞窟を出た。彼が中にいてくれたら良いのだが、携帯電話に連絡が入っていなかったか確認する俺の隣で、岩に置かれた麺を手に取って啜り出した。
中は冷やりとして涼しいが、潮風に吹かれるとやはり爽快だ。
腕時計を見ると、あと八分だった。






『EXOTICA:1「入口」』






五人の書き手様と共に、では9月26日に。

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